問題 24★★☆

他社が公表した市場調査レポートの数値と分析文を、自社の提案資料に取り入れたい。 データの盗用にあたらない扱い方として、最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア数値は誰が調べても同じ事実になるため、出どころを示さずに自社の分析結果として載せる。

    誤り。公表されているから自由に自分の成果にしてよい、ということにはなりません。 その数値は他社が費用と手間をかけて集めた成果です。出どころを示さなければ、 読み手は自社が調べたものと受け取ってしまいます。

  2. イ文末の言い回しや語順を変えて別の文章に書き直したうえで、自社の見解として載せる。

    誤り。表現を変えても、内容や分析の道筋が他人のものであれば盗用です。求められて いるのは文章の一致を避けることではなく、誰の成果かを明らかにすることなので、 書き直しても問題は解消しません。

  3. ウ図表をそのまま使い、自社が同じ内容の調査を実施して得た結果であると注記して載せる。

    誤り。出どころを示すどころか、他社の成果を自社の実績として偽っています。盗用に 加えて、実施していない調査をしたことにする点で、事実と異なる説明にもなり、 提案先の判断を誤らせます。

  4. エ作成者名とレポート名、公表年を示し、引用した部分を自社の記述と区別できる形で載せる。

    正解。誰がいつ作ったものかを示し、引用した部分と自分の記述を分けて示せば、 読み手は根拠をたどれます。盗用と正当な引用を分けるのは、出どころの明示と、 どこまでが借りものかが分かる書き方です。

理解を深めるために

借りること自体は不正ではない

他人の調査結果を使うこと自体は、日常的に行われます。不正になるのは、それが 他人の成果であることを隠して、自分が出したもののように見せたときです。これが データの盗用です。使ったかどうかではなく、出どころを示したかどうかで分かれます。

引用として成り立たせるには

他人の文章や図表を資料に載せるとき、一般に次の点が求められます。

  • 出どころ(作成者、資料名、公表年など)を示す
  • かぎ括弧や枠で囲むなどして、どこからどこまでが借りものかを分かるようにする
  • 自分の記述が主、引用は従。必要な範囲にとどめる
  • 数値や文言を勝手に書き換えない

言い換えれば済むと考えている人が少なくありませんが、表現を変えても出どころを 示さなければ盗用のままです。著作物にあたる文章や図表では、著作権法上の 引用の条件も関わってきます。

混同しやすいものとの違い

扱い方 出どころ 評価
出どころを示して引用 示す 問題なし。範囲と区別の条件はある
そのまま転載 示さない データの盗用
言い換えて自説として記載 示さない データの盗用(表現を変えても同じ)
自社の調査結果と注記 偽る 盗用に加えて事実と異なる説明

試験では「公表されているデータだから自由に使える」という誤解が狙われます。 公表と自由利用は別物で、判断の軸はいつも出どころを示したかどうかです。

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