正解:ア
各選択肢の解説
ア製品の耐久試験で基準を下回った測定値を、理由を残さずに集計から除き、合格率を報告した。
正解。実際に測って得た元データがありながら、都合の悪い値だけを取り除いて 結果を作り変えています。数値を書き直すことだけでなく、選んで捨てることも 改ざんに含まれる点が見落とされがちです。
イ回収できなかったアンケートの分を自分で書いて回答に加え、目標どおりの件数として集計した。
誤り。これはデータのねつ造です。得ていない回答を新たに作り出しており、 元になる事実がそもそも存在しません。改ざんは元データがあるのに手を加える 行為なので、元データの有無が分かれ目になります。
ウ他社が公表した調査結果の図表を、出典を示さずに自社が実施した調査として資料に載せた。
誤り。これはデータの盗用です。数値そのものは他社が実際に集めた本物で、 書き換えてもいません。問題になるのは出どころを偽って自分の成果とした点で、 不正の中身が改ざんとは異なります。
エ集計用の計算式を取り違えたまま報告し、後日気づいて訂正した資料を関係者に配り直した。
誤り。これは過失による誤りで、気づいた時点で訂正しています。改ざんは結果を 都合よく見せる意図をもって手を加える行為です。誤りを隠さずに直したのであれば、 不正行為にはあたりません。
理解を深めるために
「あるものをいじる」のが改ざん
データをめぐる不正は、ねつ造・改ざん・盗用の三つで整理されます。このうち 改ざんは、実際に得たデータが手元にあるのに、それを真実でない形に加工する行為です。 無から作り出すねつ造とは、出発点が違います。
「除く」のも改ざん
改ざんというと数値の書き直しを思い浮かべますが、実際に起きやすいのは次の形です。
- 基準を外れた測定値を「測定ミス」として記録から落とす
- 都合のよい期間だけを切り出してグラフにする
- 複数回行った試験のうち、良い結果の回だけを採用する
いずれも個々の数値は本物ですが、選び方によって全体が事実と違う姿になります。 測定をやり直したのなら、その経緯と除外の理由を記録に残す必要があります。 理由を残さずに消した時点で、後から誰も確かめられなくなります。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 元データ | 何をしたか |
|---|---|---|
| データの改ざん | ある | 書き換える、都合よく選んで除く |
| データのねつ造 | ない | 得ていないデータを作り出す |
| データの盗用 | ある(他人のもの) | 出典を示さず自分の成果にする |
| 過失による誤り | ある | 意図せず誤り、気づいて訂正した |
試験では短い場面から用語を選ばせます。「除いた」「選んだ」という言葉が出てきたら、 ねつ造ではなく改ざんを疑ってください。意図の有無で、単なる誤りとも分かれます。