問題 14★★☆

工場の設備点検で、作業員がタブレットのカメラを配管に向けると、画面に映った 実物の映像の上に、その機器の型番と点検手順の文字が重なって表示される。 このときに使われている技術はどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア仮想現実(VR)

    誤り。コンピュータが作った空間を視界いっぱいに映し、その場にいるかのように 感じさせる技術です。現実の風景を補うのではなく置き換えてしまうため、 目の前の配管を見ながら作業を続ける用途には使えません。

  2. イ複合現実(MR)

    誤り。現実の空間の形をセンサーで読み取り、置いたCGの物体を回り込んで見たり 手で動かしたりと、現実と仮想が互いに影響し合う技術です。この場面は実物の映像に 文字を重ねているだけで、そこまでの融合はしていません。

  3. ウ拡張現実(AR)

    正解。現実の風景や映像に、文字や図などのデジタル情報を重ねて表示し、 現実を補う技術です。実物から目を離さずに手順や数値を確認できるので、 手を止めて紙の資料を探す必要がなくなります。

  4. エメタバース

    誤り。アバターとして参加し、交流や経済活動を行うインターネット上の仮想空間を 指します。VRの機器で体験されることが多い点は似ていますが、現実の現場ではなく 別の空間に入る仕組みであり、技術名ではなく場の呼び名です。

理解を深めるために

現実を「置き換える」のか「補う」のか

**拡張現実(AR)**は、実際に見えている風景やカメラで映した映像に、 文字・図・CGなどのデジタル情報を重ねて表示する技術です。 現実はそのまま残っていて、そこに情報が足される(拡張される)ことが名前の由来です。

対して仮想現実(VR)は、視界をすべてコンピュータの作った映像で覆います。 現実は見えなくなるので、その場にいる感覚を作り出す訓練や体験には向きますが、 目の前の実物を扱いながら使うことはできません。 現実を残すのがAR、現実を置き換えるのがVRと覚えると整理できます。

ARが現場で使われる理由

  • 実物を見たまま、型番・手順・注意点をその位置に重ねて示せる
  • 紙のマニュアルを探して視線を外す時間がなくなる
  • 家具を部屋に置いた姿を実寸で確かめるなど、購入前の確認にも使われる

混同しやすいものとの違い

用語 中身
拡張現実(AR) 現実の風景や映像に情報を重ねて、現実を補う
仮想現実(VR) 視界をCGで覆い、現実を別の空間に置き換える
複合現実(MR) 現実の空間を読み取り、現実と仮想を互いに影響させる
メタバース アバターで参加する仮想空間そのもの(場の呼び名)

問題文に「実物を見ながら」「重ねて表示」とあればAR、 「視界いっぱい」「その場にいるように」とあればVRだと判断できます。

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