問題 64★★☆

株式会社が多額の負債を抱えたまま倒産した。この会社の株主が負う責任として、 最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア出資額を超えて、会社の債務を個人の財産で連帯して弁済する責任を負う。

    誤り。これは無限責任の説明で、合名会社の社員などが負うものです。会社の借金を 出資者が最後まで背負う形で、株式会社の株主には当てはまりません。責任が出資額で 止まるかどうかで区別します。

  2. イ会社の業務を自ら執行していた責任として、債権者に損害を賠償する。

    誤り。株式会社では所有と経営が分離しており、業務の執行は株主総会で選ばれた 取締役が担います。株主であるだけで業務を執行していたことにはならないので、 この理由で弁済の責任を負うことはありません。

  3. ウ出資した金額を限度とし、それを超えて会社の債務を弁済する義務はない。

    正解。株主の責任は引き受けた株式の出資額が上限です。株式の価値がゼロになる 損失はありえますが、会社の借金を個人の財産で返す義務までは負いません。

  4. エ上場会社の株主に限り、出資額を限度とする責任にとどまる。

    誤り。有限責任は上場しているかどうかに関係なく、株式会社の株主すべてに認められます。 上場は株式を証券取引所で売買できるようにすること(株式公開)で、株主の責任の 範囲を変えるものではありません。

理解を深めるために

失うのは出した分まで

株式会社の株主は、会社が倒産しても、払い込んだお金が戻らなくなる以上の損は しません。これを有限責任といいます。会社に1,000万円の借金が残っていても、 10万円分の株を持っていた株主が失うのはその10万円までで、残りの借金を家や 貯金で返す必要はありません。

なぜそうなっているのか

損失に上限があるから、多くの人が安心して少額ずつ出資できます。株式会社は、 この仕組みで広く資金を集め、大きな事業を行うための会社形態です。

  • 有限責任 … 株主の責任は出資額が限度
  • 所有と経営の分離 … 会社を持つのは株主、経営するのは株主総会で選ばれた取締役
  • 株式の譲渡 … 株主は株式を他人に譲って出資を回収できる。証券取引所で 売買できるようにするのが株式公開(IPO)

なお、株主が個人で会社の借金を保証していた場合は、株主としてではなく保証人として 返済を求められます。これは有限責任とは別の話です。

混同しやすいものとの違い

考え方 内容
有限責任 出資額を限度に責任を負う。株式会社の株主すべてに当てはまる
無限責任 会社の債務を個人の財産でも弁済する。合名会社の社員など
所有と経営の分離 株主は所有者で、業務の執行は取締役が担う
株式公開(IPO) 株式を取引所で売買できるようにすること。責任の範囲は変わらない

試験では「株主の責任はどこまでか」を問われたら、出資額が上限という一点で選べます。

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