正解:ア
各選択肢の解説
ア早く異変に気づけていた点は守るべきだと考え、短い対話の場と進捗の記録で状況をつかむやり方に自分の進め方を改める。
正解。「既存の価値観の尊重すべき点を認識しつつ、環境変化に応じた新たな価値観、 行動様式、知識、スキルを身につけている」という行動例に対応します。守るのは 「早く気づく」という目的、変えるのは「席で見る」という手段、と切り分けています。
イ顔が見えないと様子が分からないため、勤務時間中はカメラの常時接続を課のきまりとし、在席を画面で確かめる。
誤り。「見て把握する」という従来の手段をそのまま在宅勤務に持ち込んでいます。 守るべきなのは早く気づくという目的であって、目で見張るやり方ではありません。 監視されていると感じた部下が不調を隠せば、かえって異変に気づけなくなります。
ウ在宅勤務では部下の様子をつかむのは難しいと考え、部下から相談があったときに対応する形に改める。
誤り。環境が変わったことを理由に、これまで果たしていた役割を手放しています。 変化を受け入れることと、できていたことを諦めることは別です。相談できる人ほど 早く声を上げるため、抱え込む人の異変が見えなくなります。
エ従来の進め方が最も確実だと考え、営業課だけは全員が出社する形に戻すよう会社に申し入れる。
誤り。環境変化そのものを元に戻そうとする前例踏襲です。以前のやり方が有効だった ことは事実でも、それは在宅勤務が前提の環境では成り立ちません。既存の価値観の 尊重すべき点を認識することと、既存の手段を守り続けることは違います。
理解を深めるために
守るものと、変えるものを切り分ける
しょうゆの味を守っている老舗が、樽を桶からステンレスに替えることがあります。 守っているのは味であって、樽の材質ではないからです。 何を守り、何を変えるかを取り違えると、手段を守って目的を失います。
Hさんが守りたいのは「部下の異変に早く気づくこと」です。 「席で様子を見る」はそのための手段にすぎません。
この項目が求めている行動
シラバスの行動例のうち、この問題が問うているのは次の1つです。
自身や組織がもつ既存の価値観の尊重すべき点を認識しつつ,環境変化に応じた 新たな価値観,行動様式,知識,スキルを身につけている。
読み取り方は2段階です。
- 既存のどこが尊重すべき点かを言葉にする(早く異変に気づく)
- そのうえで、新しい環境で同じ目的を果たせる行動様式に組み替える
選択肢の行動を並べると
| 行動 | 守るもの/変えるもの |
|---|---|
| 対話の場と記録で状況をつかむやり方に改める | 目的を守り、手段を変えている(行動例に合致) |
| カメラの常時接続を課のきまりにする | 手段を守ろうとしている |
| 相談があったときだけ対応する | 目的を手放している |
| 全員出社に戻すよう申し入れる | 環境そのものを戻そうとしている |
誤答はいずれも「変えるもの」と「守るもの」を取り違えています。 場面問題では、その人が本来果たしていた役割は何かを先に押さえると迷いません。