正解:イ
各選択肢の解説
ア社外に渡す情報は少ないほどよいと考え、確定した出荷実績を月末にまとめて渡し、あとの検討は相手に任せる。
誤り。渡せる範囲を検討せずに最小限にとどめ、形だけ協力した状態です。 過去の実績からは先の便をまとめる計画は立てられず、相手の知見が活きません。 情報を出したという事実だけでは、価値を生む協働にはなりません。
イ秘密保持契約で扱う範囲を取り決めたうえで生産計画を共有し、物流会社の知見と突き合わせて改善案を一緒に作る。
正解。「様々な専門性をもった人と社内・社外問わずに協働することが重要であることを 理解し、多様性を尊重している」という行動例に対応します。守るべきものは契約で 守ったうえで、自社側も持ち寄らなければ協働は成り立たない、という判断です。
ウ自社の情報を出す前に、まず物流会社の運行データをすべて提出してもらい、それを見てから出す範囲を決める。
誤り。相手にだけ先に出させる一方通行の取引になっています。互いに出し合わなければ 検討が進まない場面で、自社を有利な立場に置こうとする姿勢です。 対等に持ち寄る関係にならず、相手の協力も引き出せません。
エ情報漏えいが心配なので社外には出さず、自社だけで配送計画の見直し案を作り、物流会社にはそのとおり実施してもらう。
誤り。社内で抱え込み、結果だけを相手に実施させています。配送の現場を知っている のは物流会社であり、その専門性が見直し案に入りません。委託先を指示に従う相手と 見なしており、社外との協働という考え方から外れています。
理解を深めるために
協働は、受け取るだけでは成立しない
鍋を囲む持ち寄りの会で、自分は何も持たずに食べるだけの人がいると、 次から誘われなくなります。協働も同じで、相手の知見を当てにしながら 自分の側は何も出さない関係は、長くは続きません。
この場面でK社が持っているのは生産計画、物流会社が持っているのは 配送の現場の知見です。両方がそろって初めて、便をまとめる案が作れます。
この項目が求めている行動
シラバスの行動例は次の1つです。
価値創造のためには,様々な専門性をもった人と社内・社外問わずに協働することが 重要であることを理解し,多様性を尊重している。
ここで押さえるべき点は2つです。
- 協働は社外の相手とも行う。委託先は指示に従う相手ではなく、専門性を持つ相手
- 情報を守ることと出さないことは違う。範囲を取り決めたうえで出すのが実務の形
選択肢の行動を並べると
| 行動 | 何が足りないか |
|---|---|
| 範囲を取り決めて計画を共有し、一緒に改善案を作る | 不足なし(行動例に合致) |
| 月末に出荷実績だけ渡す | 形だけの共有で、相手の知見が活きない |
| 相手のデータを先に全部出させる | 一方通行で対等な関係になっていない |
| 自社だけで案を作り実施させる | 社外の専門性を検討に入れていない |
秘密保持契約は、協働を止めるための道具ではなく、安心して持ち寄るための道具です。 社外との協働を扱う問題では、この使い分けがよく問われます。