問題 18★★★

食品メーカーが、大学の研究室と、画像解析を得意とする新興企業との3者で、 野菜の傷みを判別する検査装置を共同開発している。新興企業は「早く試作機を工場で 試したい」と主張し、自社の品質保証部は「手順どおりの評価が先だ」と譲らない。 調整役のDさんの行動として、コラボレーションの考え方に最も沿うものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア自社が費用を負担する立場であることを伝え、社外の2者にも自社の品質保証の手順に合わせて進めてもらう。

    誤り。費用を出す側の立場で進め方を押し付けています。社外の相手を、自社の流儀に 従う請負先として扱っており、試作を早く回すという新興企業の強みが活かされません。 多様性の尊重とは、違うやり方を自社に合わせさせることではありません。

  2. イ双方がそう主張する理由を聞き合う場を設け、早く試す利点と評価の目的の両方を活かせる進め方を一緒に決める。

    正解。「様々な専門性をもった人と社内・社外問わずに協働することが重要であることを理解し、 多様性を尊重している」という行動例に対応します。意見の違いを、専門性の違いから 生まれた材料として扱い、価値につなげようとしています。

  3. ウ対立が長引かないよう、試作は新興企業、評価は品質保証部と作業を分け、互いの担当には口を出さないと決める。

    誤り。衝突は避けられますが、互いの知見が混ざらない分業にとどまっています。 試作の段階で評価の観点が入らず、評価の段階で試作の工夫が伝わりません。 役割を分けることと、専門性を持ち寄って協働することは別です。

  4. エ画像解析については新興企業のほうが詳しいため、進め方の判断は新興企業に任せ、品質保証部には従ってもらう。

    誤り。相手の専門性を立てているように見えますが、自社の品質保証部の専門性を 退けています。多様性の尊重は、どちらか一方の専門家に判断を預けることではなく、 異なる専門性を持ち寄ることです。社内の知見も協働の材料の一つです。

理解を深めるために

意見がぶつかるのは、専門が違うから

家を建てるとき、設計士は「見た目のよい大きな窓」を、大工は「その位置では強度が 足りない」と言うことがあります。どちらかに決めさせると、弱い家か、つまらない家になります。 理由を出し合えば、窓の形を変えて柱を足す、という第三の案が見つかります。

この項目が求めている行動

シラバスの行動例は次の1つです。

価値創造のためには,様々な専門性をもった人と社内・社外問わずに協働することが 重要であることを理解し,多様性を尊重している。

この場面で読み取るべき点は2つです。

  • 違う意見は、専門性の違いから出てくる。避ける対象ではなく、価値を生む材料
  • 社内・社外のどちらか一方に寄せない。立場の強さでも、詳しさでも決めない

選択肢の行動を並べると

行動 何が足りないか
理由を聞き合い、両方を活かす進め方を一緒に決める 不足なし(行動例に合致)
費用負担を理由に自社の手順に合わせさせる 社外の専門性を活かしていない
作業を分け、互いに口を出さない 知見が混ざらず協働になっていない
詳しい社外の企業に判断を任せる 社内の専門性を退けている

誤答は「押し付ける」「分ける」「預ける」のいずれかです。 異なる専門性が同じ検討の場で持ち寄られているかを見ると、協働かどうかを判別できます。

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