正解:イ
各選択肢の解説
ア年代別の売上データを調べ、高齢の客がよく買う商品を売り場の手前にまとめる。
誤り。売上データは買った結果を示すだけで、店内のどこで手間取ったか、何を あきらめたかまでは写りません。行動例が求めているのは、相手の立場に立って ニーズや課題を発見しようとすることです。課題を確かめる前の手当てに当たります。
イ高齢の客に頼んで入店から会計までに同行し、どこで手間取るかを自分の目で見る。
正解。行動例「顧客・ユーザーに寄り添い、顧客・ユーザーの立場に立ってニーズや 課題を発見しようとしている」に当たります。同じ場に身を置くと、本人が不便だと 意識していないことまで見え、課題を自分で見つけられます。
ウ本部の会議で、社員が自分の家族の様子から困り事を想像して対応策をまとめる。
誤り。当人に当たらず、提供する側の想像で課題を決めています。家族の様子は 手掛かりにはなりますが、店を使う客の事情とは限りません。立場に立つとは、 想像で代弁することではなく、本人のところへ確かめに行くことです。
エ高齢者向けサービスで評判の良い他社の取組みを調べ、同じものを自店にも入れる。
誤り。他社の答えを先に持ってくる進め方で、自店の客が何に困っているかは 分からないままです。参考にはなりますが、客層も店の作りも違えば必要な支えも 変わります。まず自店の客の課題を見つけるのが順序です。
理解を深めるために
「聞く」より前に、「同じ場に立つ」
顧客・ユーザーへの共感は、相手を思いやる気持ちのことではなく、 相手の立場に立って課題を見つけに行くという行動を指します。
高齢の客が買い物で困る場面は、本人も「そういうものだ」と受け止めていて、 聞かれても言葉にならないことがあります。棚の下段に手が届かない、 カゴが重い、値札の文字が読めない、といったことは、 同じ動きをたどってみると初めて見えてきます。
データや事例では埋まらないもの
- 売上データ … 何が買われたかは分かるが、買わなかった理由は写らない
- 社内の想像 … 提供する側の経験に寄り、当人の事情とはずれる
- 他社の事例 … 他社の客の課題への答えであって、自店の課題の答えではない
いずれも役に立つ材料ですが、課題を見つける段階では当人に当たるのが先です。
4つの行動と、見えるもの
| 行動 | 分かること |
|---|---|
| 買い物に同行して観察する | 本人が意識していない困り事まで |
| 年代別の売上を調べる | 買われた商品の傾向 |
| 社内で家族の様子から想像する | 社員が知っている範囲の推測 |
| 他社の取組みを調べる | 他社の客に効いた手段 |
試験では、選択肢の中で「当人のところへ行っているのはどれか」を探すと切り分けられます。