正解:エ
各選択肢の解説
ア要望どおりに印刷ボタンを付け、次の更新で速やかに提供して顧客の期待に応える。
誤り。応える姿勢は大切ですが、言われた手段をそのまま作るだけでは、顧客が何に 困っているかは分からないままです。印刷の先に本当の課題があれば、ボタンを付けても 解決しません。要望は課題を知る入口として扱います。
イ印刷は紙の削減という自社の方針に合わないため、画面で確認するよう案内する。
誤り。自社の都合や方針を基準に要望を退けており、顧客の立場に立っていません。 方針と合わないとしても、なぜ紙が必要なのかを知らなければ、代わりの提案も できません。判断の起点が自社側にある点が行動例と逆です。
ウ同じ要望を出した取引先の数を数え、件数が一定を超えたら開発の対象に加える。
誤り。件数で優先順位を決めるのは、開発の順番を決める手順としては妥当です。 ただし、要望の数を数えても、顧客が紙で何をしているのかは見えません。 課題を発見する行動ではなく、要望を処理する行動にとどまっています。
エ店を訪ねて印刷した一覧を何に使っているかを見せてもらい、困り事を確かめる。
正解。行動例「顧客・ユーザーに寄り添い、顧客・ユーザーの立場に立ってニーズや 課題を発見しようとしている」に当たります。印刷という手段の奥にある、 現場の困り事を顧客の側から確かめています。
理解を深めるために
要望は答えではなく、課題への入口
顧客が口にする要望は、その人が思いついた「解決の手段」であることが多いものです。 「印刷ボタンが欲しい」の奥には、たとえば「冷蔵庫の前で在庫を数えるときにタブレットを 持ち込めない」「仕込み担当に手書きで指示を書き込みたい」といった、別の困り事が 隠れているかもしれません。
顧客・ユーザーへの共感とは、要望をそのまま受け取ることでも、自社の都合で断ることでも なく、顧客の立場に立って、何に困っているのかを見つけにいく姿勢です。
なぜ現場で確かめるのか
- 印刷した紙の使われ方を見れば、要望の背景にある作業や制約が分かる
- 本当の課題が分かれば、印刷以外のより良い解決策も考えられる
- 顧客自身も言葉にできていない不便に気づけることがある
要望に早く応えることと、課題を発見することは別のことです。前者だけを続けると、 機能は増えても顧客の困り事は減らない、ということが起こります。
要望への向き合い方の違い
| 対応 | 起点 | 課題が見えるか |
|---|---|---|
| 使われ方を見せてもらい困り事を確かめる | 顧客の立場 | 見える |
| 要望どおりにすぐ作る | 顧客の言葉 | 見えない |
| 自社の方針に合わないと断る | 自社の都合 | 見えない |
| 要望の件数で開発を決める | 要望の数 | 見えない |
試験では、顧客の「言ったこと」ではなく「困っていること」に近づこうとしている 選択肢を探してください。熱心に応える選択肢や、手順として整った選択肢に引っ張られないことが大切です。