問題 10★★★

社内会議の様子を、映像と音声でリアルタイムに各拠点へ配信するシステムを構築する。 多少のデータの欠落は許容したうえで、遅延を小さく抑えることを優先したい。 この配信に適したプロトコルはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. アTCP

    誤り。これは送ったデータが届いたかを確認し、欠けていれば送り直し、 順番もそろえてから渡すプロトコルです。確実さでは優れますが、 再送を待つ間に映像が止まるため、遅延を嫌う用途には向きません。

  2. イHTTP

    誤り。これはWebサーバとブラウザの間でWebページをやり取りするための プロトコルです。実際の運搬はTCPに任せており、 確実さと速さのどちらを取るかを決める役割は担っていません。

  3. ウUDP

    正解。到達の確認や再送を行わない分だけ手順が軽く、遅延が小さくなります。 映像や音声は一部が欠けても再生を続けられるため、速さを優先する配信に合います。

  4. エIP

    誤り。これはIPアドレスを手がかりに、パケットを宛先まで中継して届ける プロトコルです。ネットワークをまたいだ配送を担う土台であり、 確実さと速さの選択は、その上で動くTCPやUDPが受け持ちます。

理解を深めるために

受取印をもらう宅配便か、郵便受けに入れるチラシか

データの運び方には2つの流儀があります。

  • TCP — 届いたかを1つずつ確認し、届かなければ送り直す。受取印をもらう宅配便
  • UDP — 確認も送り直しもせず、次々と送り出す。郵便受けに投函するチラシ

宅配便は確実ですが、手続きの分だけ時間がかかります。 チラシは何枚か届かないこともありますが、速く大量にまけます。

映像や音声で速さを優先する理由

ライブ配信やIP電話では、欠けたデータを送り直してもらっても、 そのころには再生すべき時刻を過ぎています。届いた分だけ再生を続けたほうが、 視聴する側にとっては自然に見えます。再送を待って映像が止まるより、 一瞬の乱れのほうが実害が小さい、という判断です。

逆に、Webページやファイル転送、メールは一部でも欠けたら内容が壊れるので、 確実さを取ってTCPを使います。

混同しやすいものとの違い

プロトコル 役割
UDP 到達確認や再送をせず、遅延を抑えて送る
TCP 到達確認と再送で、確実に順番どおり届ける
IP 宛先まで中継して届ける、配送そのものの土台
HTTP Webページをやり取りする(運搬はTCPに任せる)

試験では「リアルタイム」「多少の欠落は許容」とあればUDP、 「確実に」「欠けては困る」とあればTCPと読み替えてください。

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