正解:ア
各選択肢の解説
ア登録した生体情報が漏えいしても、パスワードのように変更できない。
正解。指紋や静脈は本人の体そのものなので、漏えいしても取り替えられません。 パスワードなら変更すれば済む被害が、生体情報では長く残ります。
イ判定に誤りが起きないため、本人が拒否される心配がない。
誤り。生体認証にも誤判定があり、本人なのに拒否される割合を本人拒否率(FRR)と呼びます。 指のけがや乾燥、読取り時の置き方でも拒否は起こります。誤りが無いのではなく、 他人受入率(FAR)との兼ね合いで基準を決めています。
ウ本人の記憶に頼るため、忘れると認証できなくなる。
誤り。忘れると使えなくなるのは、パスワードやPINコードなど記憶の要素の弱点です。 生体認証は体の特徴を使うので、覚えておく必要がないことがむしろ利点です。
エ他人に貸し借りしやすく、なりすましを防ぎにくい。
誤り。貸し借りや紛失・盗難が弱点になるのは、ICカードなど所有の要素です。 体の特徴は他人に渡せないので、貸し借りによるなりすましには強い方式です。
理解を深めるために
体の特徴は「取り替えのきかない鍵」
パスワードは、漏れたら新しいものに変えれば済みます。 ところが指紋は10本しかなく、顔や虹彩は1つです。 生体認証は忘れない・貸せないという強みと引き換えに、 漏れても変更できないという弱みを抱えています。
なぜそれが問題になるのか
- 生体情報(指紋の特徴データなど)がサーバから盗まれると、その人はその特徴を一生使い続けるしかない
- 同じ指紋を複数のサービスに登録していれば、影響は1つのサービスにとどまらない
- そのため、生体情報はサーバに集めず端末の中だけで照合する方式や、 特徴データを元の画像に戻せない形で保存する工夫が取られる
認証の要素ごとの弱点
| 要素 | 例 | 主な弱点 |
|---|---|---|
| 記憶 | パスワード、PINコード | 忘れる、推測・盗み見される |
| 所有 | ICカード、スマートフォン | 紛失・盗難、貸し借り |
| 生体 | 指紋、静脈、顔 | 漏えいしても変更できない、誤判定(FRR・FAR) |
「忘れる」は記憶、「貸し借り・紛失」は所有、「変更できない」は生体の弱点です。 弱点がどの要素のものかで選択肢を切り分けると、取り違えを防げます。