問題 17★★★

無料の動画変換ソフトとして配布されていたプログラムを社員が自分で導入した。 宣伝どおりの変換機能は動作するが、裏では利用者に知らせずに不正な処理が行われていた。 このプログラム自体が自分の複製を作って他のファイルや端末へ広がることはない。 このマルウェアの分類として最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. アワーム。ネットワークを通じて自分の複製を他の端末へ次々に送り込み、単独で増殖していく。

    誤り。ワームの特徴は、他のプログラムに寄生せず単独で自己増殖する点にあります。 問題文のプログラムは複製を作らないと明記されているので当てはまりません。 自分で増えるかどうかが、トロイの木馬との分かれ目です。

  2. イトロイの木馬。役に立つソフトウェアを装って導入させ、裏で不正な動作をする。増殖はしない。

    正解。利用者が自分の意思で導入してしまう点と、自己増殖しない点の両方がそろいます。 正体を隠して中に入り込むことが手口の中心で、感染を広げる能力は持ちません。

  3. ウコンピュータウイルス。他のプログラムやファイルに寄生し、その実行に伴って感染を広げる。

    誤り。ウイルスは単体では動けず、既存のファイルに自分を潜り込ませて増える点が特徴です。 問題文のプログラムは単体で完結しており、他のファイルへ寄生していません。 寄生するのがウイルス、寄生も増殖もしないのがトロイの木馬です。

  4. エランサムウェア。端末内のデータを暗号化して使えなくし、復旧と引き換えに金銭を要求する。

    誤り。ランサムウェアは金銭の要求が目的であり、利用者に暗号化と要求がはっきり示されます。 問題文では利用者に知らせずに処理が行われており、身代金の要求もありません。 被害が表に出るか、隠れたままかで区別します。

理解を深めるために

見た目は贈り物、中身は兵隊

名前の由来はギリシャ神話です。城門を破れなかった軍勢が、贈り物の木馬に兵を潜ませ、 市民自身の手で城内へ運び込ませました。トロイの木馬も同じで、 利用者が「便利そうだ」と思って自分で招き入れるところが手口の核心です。

侵入さえできれば目的は果たせるため、トロイの木馬は自分で増える必要がありません。 配布サイトやアプリストア、メールの添付ファイルが「運び込む人」の役を担います。

増え方で3つを切り分ける

用語 増え方 侵入のしかた
トロイの木馬 増殖しない 有用なソフトを装い、利用者に導入させる
コンピュータウイルス 他のファイルに寄生して増える 感染ファイルが開かれることで広がる
ワーム 単独で自己増殖する ネットワークやUSBを通じて自力で広がる

「寄生して増える/単独で増える/増えない」の3段階で覚えると、 問題文のどこを読めばよいかが決まります。

裏で何をするかは別の軸

トロイの木馬は「見せかけて入り込む形」を指す分類なので、 侵入後の動作はさまざまです。情報を盗むスパイウェアの機能を持つものも、 遠隔操作の裏口(バックドア)を開くものもあります。

つまり「トロイの木馬かどうか」は目的ではなく入り方で決まります。 試験では、装って導入させたという記述と、自己増殖しないという記述が そろっているかを確認すれば選べます。

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