問題 36★☆☆

金銭を要求する攻撃の手口にはいくつかの種類がある。 このうち、ランサムウェアによる被害の説明として最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア偽の感染警告を画面に表示し、電話をかけさせてサポート料金をだまし取る。

    誤り。これは偽の警告で不安をあおる詐欺(サポート詐欺)の説明です。 画面に突然メッセージが出て金銭を求められる点が似ていますが、こちらは警告そのものが嘘で、 データは壊されていません。実際にファイルが使えなくなっているかどうかで区別します。

  2. イ端末内の情報をひそかに集めて外部へ送り、後から不正送金などに悪用する。

    誤り。これはスパイウェアの説明です。最終的に金銭被害につながる点は共通しますが、 スパイウェアは利用者に気づかれないことが前提で、金銭を要求する画面を出しません。 被害者に自分から存在を知らせるかどうかが分かれ目です。

  3. ウ保存されたファイルを暗号化して使えなくし、元に戻す見返りに金銭を要求する。

    正解。ランサム(ransom)は身代金の意味で、データを人質に取るのがランサムウェアです。 ファイルは消されるのではなく暗号化されるため、手元に残っているのに開けない状態になります。

  4. エ大量の通信を送りつけてサービスを止め、攻撃をやめる見返りに金銭を要求する。

    誤り。これはDoS攻撃を脅迫の材料にする手口の説明です。業務が止まり金銭を要求される点は 同じですが、こちらは外から負荷をかけているだけで、保存されたデータには手を付けていません。 攻撃が止まれば元に戻るかどうかで区別します。

理解を深めるために

データを人質に取る「身代金」のマルウェア

ランサムウェアは、**ランサム(身代金)**とソフトウェアを組み合わせた言葉です。 誘拐犯が人質と引き換えに身代金を求めるように、利用者のデータを人質に取って金銭を要求します。

特徴は、ファイルを消すのではなく暗号化する点です。ファイルは手元に残っているのに、 鍵を持っている攻撃者でなければ元に戻せません。「返してほしければ払え」という取引を 成り立たせるために、あえて壊さずに残しているわけです。

なぜ被害が大きくなるのか

  • 感染した1台だけでなく、そこからつながる共有フォルダやサーバのファイルまで暗号化される
  • 業務に必要なデータが一斉に開けなくなり、仕事そのものが止まる
  • 金銭を支払っても、元に戻してもらえる保証はない

情報をこっそり盗むマルウェアと違い、ランサムウェアは画面に要求文を表示して 自分から存在を知らせます。気づかせなければ金銭を得られないからです。

「金銭を要求される」だけでは決まらない

金銭の要求は、ランサムウェア以外の手口にも出てきます。何が起きているかで見分けます。

手口 実際に起きていること
ランサムウェア ファイルが暗号化され、開けなくなっている
偽の警告による詐欺 警告が嘘で、データには何も起きていない
スパイウェア 情報が気づかれないまま外部へ送られている
DoS攻撃による脅迫 外からの負荷でサービスが止まっている

試験では、暗号化と復旧と引き換えの金銭要求の2つがそろっていることが ランサムウェアの目印になります。

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