問題 38★★☆

ある社員のPCは普段どおりに動いており、本人も異常を感じていなかった。しかし調査の結果、 Webの閲覧履歴やPC内の個人情報が、数か月にわたって外部へ送信され続けていたことが分かった。 外部からの侵入や遠隔操作の形跡は見つかっていない。 このPCに入り込んでいた不正プログラムとして最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. アランサムウェア

    誤り。ランサムウェアは、ファイルを暗号化して使えなくし、復旧と引き換えに金銭を要求します。 情報を盗み出すこともあるため混同しやすいものの、要求を伝えるために自分から存在を知らせます。 数か月も気づかれずPCが普段どおり動いていた、という状況とは合いません。

  2. イボット

    誤り。ボットは、外部からの指令を受けて攻撃者の思いどおりに動かされるマルウェアです。 目立った症状が出にくい点は同じですが、感染した機器は迷惑メールの送信や ほかへの攻撃に使われます。問題文には遠隔操作の形跡がなく、情報の収集だけが起きています。

  3. ウバックドア

    誤り。バックドアは、攻撃者が認証を経ずに入ってくるための隠された入口です。 ひそかに仕掛けられる点は共通しますが、向きが逆で、外から中へ入るための仕掛けです。 問題文で起きているのは、中の情報が外へ送り出されることです。

  4. エスパイウェア

    正解。スパイウェアは、利用者に気づかれないまま端末内の情報や利用状況を集め、 外部へ送信します。長く情報を取り続けるために、あえて目立つ症状を出さないのが特徴です。

理解を深めるために

気づかれないことが仕事の「スパイ」

スパイは、相手に正体を知られた時点で役目を果たせなくなります。 スパイウェアも同じで、利用者に気づかれないままPCやスマートフォンに居座り、 中の情報を集めて外部へ送り続けます。

集められるのは、Webの閲覧履歴、保存された個人情報、入力した内容などです。 PCの動作は普段と変わらないため、問題文のように数か月たってから発覚することも珍しくありません。

なぜ症状が出ないのか

マルウェアには、被害を見せつけるものと、隠れ続けるものがあります。

  • ファイルを暗号化して金銭を要求するものは、要求を伝えるために自分から存在を知らせる
  • スパイウェアは、長く情報を取り続けるほど攻撃者の得になるため、目立つ動作を避ける

無料のソフトウェアに同梱されていたり、メールの添付ファイルを開いたときに入り込んだりと、 入り込む経路はさまざまです。スパイウェアという名前は入り込み方ではなく、 入り込んだ後に何をするかを表しています。

入り込んだ後に何をするかで見分ける

マルウェアの名前の多くは、入り込んだ後の動作を表しています。何をしているかで区別します。

用語 入り込んだ後にすること
スパイウェア 端末内の情報や利用状況を集めて外部へ送る
ランサムウェア ファイルを暗号化し、金銭を要求する画面を出す
ボット 外部からの指令を受けて、攻撃などに使われる
バックドア 攻撃者が認証を経ずに入るための入口になる

試験では、利用者に気づかれないことと情報を収集して外部へ送信することの 2つがそろった記述が、スパイウェアの目印になります。

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