問題 37★★☆

キーロガーに感染したPCで、通信がHTTPSで暗号化された正規のWebサイトにログインしたところ、 後日パスワードが第三者に知られていたことが分かった。 暗号化された通信でもパスワードが盗まれた理由として最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. アキーボードから入力した内容が、暗号化されて送信される前にPCの中で記録されるから。

    正解。通信の暗号化が守るのは、PCを出てからサーバに届くまでの区間です。 キーロガーは打鍵の時点で文字を記録するので、その後の通信がどれだけ強く暗号化されていても 関係がありません。

  2. イPCとWebサイトの間を流れる暗号化されたデータが、通信経路の途中で読み取られるから。

    誤り。これは通信経路上での盗聴の説明です。パスワードを盗み見る点は同じですが、 HTTPSで暗号化されていれば、経路の途中で傍受しても中身は読めません。 キーロガーが盗む場所は経路ではなく、利用者のPCの中です。

  3. ウ本物そっくりに作られた偽のWebサイトへ誘導され、そこに利用者が自分で入力するから。

    誤り。これはフィッシングの説明です。利用者が入力した文字が盗まれる点は似ていますが、 問題文では正規のWebサイトにログインしています。フィッシングは偽の入力先を用意する手口、 キーロガーは入力先が本物でも成立する手口です。

  4. エパスワードを入力している利用者の手元や画面が、背後に立った人物にのぞき見られるから。

    誤り。これはショルダーハッキングの説明です。入力の時点で盗まれる点は共通しますが、 こちらは人が直接のぞき見る手口で、マルウェアは関係しません。 キーロガーはプログラムが記録するので、周囲に誰もいなくても被害に遭います。

理解を深めるために

封筒に入れる前の便せんを読まれている

通信の暗号化は、手紙を頑丈な封筒に入れて送るようなものです。配達の途中で誰かが 手に取っても、中身は読めません。

ところがキーロガーは、便せんに文字を書いているその場で、手元を写し取っていきます。 封筒がどれだけ頑丈でも、封をする前に読まれていれば意味がありません。 キーロガーは、キーボードの入力内容を記録し、外部へ送り出すプログラムです。

暗号化が守る区間と、キーロガーが働く場所

パスワードがサーバに届くまでの流れを順に並べると、次のようになります。

  1. 利用者がキーボードでパスワードを打つ
  2. Webブラウザが入力内容を受け取る
  3. 暗号化してPCから送り出す
  4. 通信経路を通ってサーバに届く

HTTPSが守るのは3から4の区間です。キーロガーは1の時点で記録するので、 暗号化より手前で情報を手に入れています。正規のWebサイトであることも、 通信が暗号化されていることも、防御になりません。

パスワードが「どこで」盗まれるか

パスワードを盗む手口は、盗まれる場所で整理できます。

手口 盗まれる場所 通信の暗号化で防げるか
キーロガー 利用者のPCの中(入力の時点) 防げない
盗聴 通信経路の途中 防げる
フィッシング 偽のWebサイト(入力先) 防げない
ショルダーハッキング 利用者の背後(人の目) 防げない

試験では、キーボードの入力を記録するという記述がキーロガーの目印です。 暗号化や正規サイトの確認では防げず、マルウェアを入れさせないことが対策になります。

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