問題 26★★★

多数のアプリケーションを同時に開くと動作が目立って遅くなるPCがある。 メモリ(主記憶装置)を増設するとこの症状が改善することがあるのは なぜか。最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア補助記憶装置の空き容量が増え、保存できるファイルの数が増えるから。

    誤り。これは補助記憶装置を増設したときの効果です。どちらも「容量」という 同じ言葉で語られるため混同しますが、ファイルの保存先が広がることと、 実行中の処理が速くなることは別の話です。

  2. イ実行中のプログラムを主記憶に置いたままにでき、補助記憶への退避が減るから。

    正解。主記憶が足りないと、OSは当面使わない分を補助記憶装置へ追い出し、 必要になるたびに読み戻します。この往復は主記憶の読み書きよりずっと遅く、 増設で往復そのものが減るため体感が改善します。

  3. ウCPUのコア数が増え、複数の処理を同時に実行できるようになるから。

    誤り。コア数はCPU側の仕様で、メモリを増設しても増えません。どちらも 「同時にたくさん」を助けるので混ざりますが、コアは処理を実行する担当、 メモリは処理中のデータを置く場所と、役割が分かれています。

  4. エ電源を切っても作業中のデータが保持され、読み込み直しが不要になるから。

    誤り。主記憶に使われるRAMは電源を切ると内容が消える揮発性の記憶で、 容量を増やしてもこの性質は変わりません。残したいデータは補助記憶装置に 保存する必要があり、増設は保持の話とは無関係です。

理解を深めるために

机の広さと、引き出しの大きさ

主記憶装置は作業机にあたります。 今開いているアプリとそのデータは、この机の上に広げて使います。 一方、SSDやハードディスクなどの補助記憶装置は引き出しで、 使わないものはここにしまっておきます。

机が狭いと、新しい書類を広げるたびに今ある書類を引き出しへ戻し、 必要になったらまた出す、という往復が発生します。 この往復が、アプリを切り替えたときの「待たされる感じ」の正体です。 机を広くすれば往復が減り、切り替えが軽くなります。

なぜ引き出しへの往復は遅いのか

  • 主記憶はCPUが直接読み書きでき、電気的にすぐ応答する
  • 補助記憶は主記憶に比べて読み書きが桁違いに遅い
  • 足りない分をOSが自動で補助記憶へ移すため、利用者には「急に重い」としか見えない

つまりメモリ増設は、CPUを速くしているのではなく、 遅い装置を使う回数を減らしているのです。

混同しやすい部品の違い

部品 役割 増やすと効くこと
メモリ(主記憶装置) 実行中のプログラムとデータを置く 同時に開ける量が増え、退避が減る
補助記憶装置(SSDなど) ファイルを保存しておく 保存できるファイルが増える
CPU(コア) 命令を解釈して実行する 処理そのものが速くなる

試験では「同時に開くと遅い」がメモリ不足の典型的な症状として出ます。 保存容量の話やCPUの性能の話とすり替えられていないか確認してください。

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