正解:イ
各選択肢の解説
ア補助記憶装置の空き容量が増え、保存できるファイルの数が増えるから。
誤り。これは補助記憶装置を増設したときの効果です。どちらも「容量」という 同じ言葉で語られるため混同しますが、ファイルの保存先が広がることと、 実行中の処理が速くなることは別の話です。
イ実行中のプログラムを主記憶に置いたままにでき、補助記憶への退避が減るから。
正解。主記憶が足りないと、OSは当面使わない分を補助記憶装置へ追い出し、 必要になるたびに読み戻します。この往復は主記憶の読み書きよりずっと遅く、 増設で往復そのものが減るため体感が改善します。
ウCPUのコア数が増え、複数の処理を同時に実行できるようになるから。
誤り。コア数はCPU側の仕様で、メモリを増設しても増えません。どちらも 「同時にたくさん」を助けるので混ざりますが、コアは処理を実行する担当、 メモリは処理中のデータを置く場所と、役割が分かれています。
エ電源を切っても作業中のデータが保持され、読み込み直しが不要になるから。
誤り。主記憶に使われるRAMは電源を切ると内容が消える揮発性の記憶で、 容量を増やしてもこの性質は変わりません。残したいデータは補助記憶装置に 保存する必要があり、増設は保持の話とは無関係です。
理解を深めるために
机の広さと、引き出しの大きさ
主記憶装置は作業机にあたります。 今開いているアプリとそのデータは、この机の上に広げて使います。 一方、SSDやハードディスクなどの補助記憶装置は引き出しで、 使わないものはここにしまっておきます。
机が狭いと、新しい書類を広げるたびに今ある書類を引き出しへ戻し、 必要になったらまた出す、という往復が発生します。 この往復が、アプリを切り替えたときの「待たされる感じ」の正体です。 机を広くすれば往復が減り、切り替えが軽くなります。
なぜ引き出しへの往復は遅いのか
- 主記憶はCPUが直接読み書きでき、電気的にすぐ応答する
- 補助記憶は主記憶に比べて読み書きが桁違いに遅い
- 足りない分をOSが自動で補助記憶へ移すため、利用者には「急に重い」としか見えない
つまりメモリ増設は、CPUを速くしているのではなく、 遅い装置を使う回数を減らしているのです。
混同しやすい部品の違い
| 部品 | 役割 | 増やすと効くこと |
|---|---|---|
| メモリ(主記憶装置) | 実行中のプログラムとデータを置く | 同時に開ける量が増え、退避が減る |
| 補助記憶装置(SSDなど) | ファイルを保存しておく | 保存できるファイルが増える |
| CPU(コア) | 命令を解釈して実行する | 処理そのものが速くなる |
試験では「同時に開くと遅い」がメモリ不足の典型的な症状として出ます。 保存容量の話やCPUの性能の話とすり替えられていないか確認してください。