正解:エ
各選択肢の解説
ア投資額1,000万円、増える年間利益180万円
誤り。増える利益は4案で最も大きいものの、投資額も最も大きく、 180÷1,000で18%にとどまります。金額の大きさに目を奪われると選びやすい案です。 投資対効果は、かけた金額に対する割合で比べます。
イ投資額200万円、増える年間利益50万円
誤り。投資額が最も小さく手を出しやすい案ですが、50÷200で25%です。 投資が少ないことと、投資に対して効果が高いことは別の話で、 エの30%には届きません。
ウ投資額800万円、増える年間利益160万円
誤り。160÷800で20%です。利益の額はアに次いで大きいものの、 投資額に対する割合で見るとイやエより低くなります。 額の順位と率の順位は一致しないことを確かめる選択肢です。
エ投資額400万円、増える年間利益120万円
正解。120÷400で30%となり、4案で最も高くなります。利益の額はアやウより小さくても、 かけた投資に対して生む利益の割合が最も大きい案です。
理解を深めるために
「いくら増えるか」ではなく「かけた分に対してどれだけ返るか」
投資対効果は、投資した金額に対して、どれだけの効果(利益)が得られるかを表す考え方です。 割合で表したものはROI(投資利益率)と呼ばれます。
1万円を預けて1,000円増える口座と、100万円を預けて5万円増える口座なら、 増える額は後者が大きくても、預けた額に対する増え方は前者(10%)が上です(後者は5%)。 使える資金に限りがあるとき、候補を公平に比べるには額ではなく率で見ます。
4案を計算すると
| 案 | 投資額 | 増える年間利益 | 投資対効果 | 引かれやすい理由 |
|---|---|---|---|---|
| ア | 1,000万円 | 180万円 | 18% | 利益の額が最大 |
| イ | 200万円 | 50万円 | 25% | 投資額が最小 |
| ウ | 800万円 | 160万円 | 20% | 利益の額が2番目 |
| エ | 400万円 | 120万円 | 30% | 率が最大 |
利益の額が最も大きいアは率では最下位、投資額が最も小さいイも最上位ではありません。 額だけ、投資額だけを見ると判断を誤ります。
イノベーション投資で気をつけること
新規事業の数字は、あくまで「見込み」です。前例のない取組みほど、 試算どおりの効果が出るかは分かりません。そのため次のような進め方がとられます。
- 本格投資の前にPoC(概念実証)で小さく試し、見込みの確からしさを確かめる
- 何をもって効果とみなすか(指標)と、続けるかやめるかの基準を事前に決めておく
試験では、額と率のどちらで比べるかを問題文の式で確認し、 「利益の額が大きい案」に飛びつかないことが得点につながります。