問題 22★★☆

D社は、新規事業の候補4案について、必要な投資額と、実現した場合に増える年間利益の見込みを試算した。 投資対効果を「増える年間利益 ÷ 投資額」で比べるとき、最も高い案はどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア投資額1,000万円、増える年間利益180万円

    誤り。増える利益は4案で最も大きいものの、投資額も最も大きく、 180÷1,000で18%にとどまります。金額の大きさに目を奪われると選びやすい案です。 投資対効果は、かけた金額に対する割合で比べます。

  2. イ投資額200万円、増える年間利益50万円

    誤り。投資額が最も小さく手を出しやすい案ですが、50÷200で25%です。 投資が少ないことと、投資に対して効果が高いことは別の話で、 エの30%には届きません。

  3. ウ投資額800万円、増える年間利益160万円

    誤り。160÷800で20%です。利益の額はアに次いで大きいものの、 投資額に対する割合で見るとイやエより低くなります。 額の順位と率の順位は一致しないことを確かめる選択肢です。

  4. エ投資額400万円、増える年間利益120万円

    正解。120÷400で30%となり、4案で最も高くなります。利益の額はアやウより小さくても、 かけた投資に対して生む利益の割合が最も大きい案です。

理解を深めるために

「いくら増えるか」ではなく「かけた分に対してどれだけ返るか」

投資対効果は、投資した金額に対して、どれだけの効果(利益)が得られるかを表す考え方です。 割合で表したものはROI(投資利益率)と呼ばれます。

1万円を預けて1,000円増える口座と、100万円を預けて5万円増える口座なら、 増える額は後者が大きくても、預けた額に対する増え方は前者(10%)が上です(後者は5%)。 使える資金に限りがあるとき、候補を公平に比べるには額ではなく率で見ます。

4案を計算すると

案 投資額 増える年間利益 投資対効果 引かれやすい理由
ア 1,000万円 180万円 18% 利益の額が最大
イ 200万円 50万円 25% 投資額が最小
ウ 800万円 160万円 20% 利益の額が2番目
エ 400万円 120万円 30% 率が最大

利益の額が最も大きいアは率では最下位、投資額が最も小さいイも最上位ではありません。 額だけ、投資額だけを見ると判断を誤ります。

イノベーション投資で気をつけること

新規事業の数字は、あくまで「見込み」です。前例のない取組みほど、 試算どおりの効果が出るかは分かりません。そのため次のような進め方がとられます。

  • 本格投資の前にPoC(概念実証)で小さく試し、見込みの確からしさを確かめる
  • 何をもって効果とみなすか(指標)と、続けるかやめるかの基準を事前に決めておく

試験では、額と率のどちらで比べるかを問題文の式で確認し、 「利益の額が大きい案」に飛びつかないことが得点につながります。

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