問題 21★★☆

小売業のC社は、「2035年には、客がレジに並ばずに買い物を終えられる」という店舗の姿をまず定めた。 そこから時間をさかのぼって、2030年までに整える仕組みと、今年着手する取組みを決めた。 この計画の立て方として、最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. アフォアキャスティング

    誤り。これは現状を出発点にして、今できることを積み上げながら先の姿を見通す考え方です。 どちらも将来に向けた計画づくりに使うため混同しがちですが、起点が「今」か 「ありたい未来」かが違います。C社は未来の姿を先に決め、逆向きにたどっています。

  2. イシナリオプランニング

    誤り。これは起こりうる未来を複数描き、どの未来になっても対応できるように備える手法です。 未来から考える点は似ていますが、未来を一つに決めずに幅を持たせるのが特徴です。 目指す姿を一つ定めて逆算するC社のやり方とは異なります。

  3. ウバックキャスティング

    正解。ありたい未来の姿を先に置き、そこから逆算して途中の目標と今やることを決める 考え方です。現状の延長では届かない高い目標に向けた計画を立てるときに使われます。

  4. エベンチマーキング

    誤り。これは他社などの優れたやり方を基準にして自社と比べ、差を埋める改善を進める 手法です。目標を定める点は似ていますが、基準は「今ある他社の実践」です。 自社で描いた未来の姿から逆算するものではありません。

理解を深めるために

ゴールを決めてから、道を逆向きにたどる

旅行で「18時に空港に着く」と先に決め、そこから何時の電車に乗り、 何時に家を出るかを逆算するのと同じです。バックキャスティングは、 この考え方を事業や社会の長期的な計画に当てはめたものです。

なぜ逆算するのか

現状から積み上げると、目標は「今の技術、今の予算でできること」の延長に収まりがちです。 未来の姿を先に置くと、次のような利点があります。

  • 現状の延長では届かない目標でも、そこへ至るために必要なことを洗い出せる
  • 今年の取組みが、ありたい姿とどうつながるかを説明できる
  • 途中の目標(C社でいえば2030年)を置くことで、進み具合を確かめられる

一方で、描いた未来の姿がずれていれば、逆算した計画全体もずれます。 環境の変化に合わせて、目指す姿そのものを見直すことも欠かせません。

混同しやすいものとの違い

考え方・手法 何を起点にするか
バックキャスティング ありたい未来の姿を一つ定め、そこから逆算する
フォアキャスティング 現状を起点に、できることを積み上げる
シナリオプランニング 起こりうる未来を複数描き、それぞれに備える
ベンチマーキング 他社などの優れた実践を基準に、差を埋める

「未来の姿を先に定める」「逆算する」と書かれていればバックキャスティング、 「現状から積み上げる」ならフォアキャスティングと読み分けます。

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