正解:エ
各選択肢の解説
ア企業が勘や経験に頼らず、収集・分析したデータを根拠にして経営の意思決定を行うあり方。
誤り。これはデータドリブン経営の説明です。「データ駆動」と訳せるので混同しやすいのですが、 こちらは一つの企業の意思決定の進め方を指します。データ駆動型社会は、 社会や産業全体でデータが価値を生む姿を指しており、主語の大きさが違います。
イ人がインターネットを通じてサイバー空間の情報に自らアクセスし、検索して活用する社会。
誤り。これはSociety 5.0の前段階とされる情報社会の説明です。データを使う点は同じですが、 情報を取りに行き、分析するのは人です。データ駆動型社会では、実世界のデータが センサーなどから自動的に集まり、分析結果が実世界に戻ってくる点で区別します。
ウ行政機関などが保有するデータを、誰でも二次利用できるルールで広く公開する取組み。
誤り。これはオープンデータの説明です。社会でデータが活用される土台になるため 関係は深いのですが、データを公開するという個別の取組みであって、 社会全体の姿を表す言葉ではありません。
エ実世界のデータをIoTなどで集めてサイバー空間で分析し、結果を実世界に返して価値を生む社会。
正解。データが実世界から集まり、分析されて実世界に戻ることで、産業の活性化や 社会課題の解決につながる。データそのものが価値を生む原動力になる社会です。
理解を深めるために
データが「集まって、分析されて、戻ってくる」社会
道路のセンサーや車から集まった走行データを分析し、渋滞を避けるルートを それぞれの車に知らせる。工場の設備の稼働データを分析し、故障する前に部品交換を指示する。 どちらも、実世界で生まれたデータがサイバー空間で分析され、その結果が実世界に戻って 人やモノの動きを変えています。
このように、データが価値を生み、社会や産業を動かす原動力になる社会が データ駆動型社会です。
政策の中での位置づけ
- 経済産業省の産業構造審議会の中間取りまとめ(2015年)で、「CPSによるデータ駆動型社会」として取り上げられた
- CPS(サイバーフィジカルシステム)は、実世界のデータを集め、サイバー空間で分析・知識化し、生み出した価値で産業の活性化や社会課題の解決を図る仕組み
- Society 5.0は、サイバー空間とフィジカル空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会。政府の成長戦略でも、Society 5.0とデータ駆動型社会への変革が並べて掲げられた
CPSという仕組みが社会に広がった結果として実現するのがデータ駆動型社会、 と整理すると関係をつかみやすくなります。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 何を指すか |
|---|---|
| データ駆動型社会 | 実世界とサイバー空間をデータが往復し、価値を生む社会 |
| 情報社会 | 人がサイバー空間の情報を取りに行き、自ら分析して使う社会 |
| データドリブン経営 | 一つの企業が意思決定の根拠をデータに置く経営のあり方 |
| オープンデータ | 行政などが持つデータを二次利用できる形で公開する取組み |
見分けるときは、主語が社会全体か一つの企業か、そしてデータが実世界から自動的に集まり 分析結果が実世界に戻る流れがあるかを確かめます。