正解:イ
各選択肢の解説
ア投資家が企業を評価するときに、財務情報に加えて環境・社会・企業統治への取組みを考慮する観点である。
誤り。これはESGの説明です。SDGsと並べて語られることが多いため混同しやすいのですが、 ESGは投資家が企業を見るときの評価の観点で、期限や達成目標はありません。 SDGsは期限を定めて達成を目指す目標そのものです。
イ2015年に国連で採択された2030年までの国際目標で、先進国を含むすべての国が取り組む対象である。
正解。SDGsは17の目標からなり、「誰一人取り残さない」ことを掲げています。 途上国だけでなく先進国自身の課題も含むため、企業も自社の事業との関わりを示せます。
ウ開発途上国の貧困や飢餓をなくすための目標で、先進国の企業は資金などで支援する側にとどまる。
誤り。これはSDGsの前身であるMDGs(ミレニアム開発目標)に近い捉え方です。 MDGsは主に途上国の課題を対象としていましたが、SDGsは働きがいや気候変動など 先進国自身の課題も含み、すべての国が当事者として取り組みます。
エ企業が利益を追求するだけでなく、社会の一員として果たすべき責任を自ら果たそうとする考え方である。
誤り。これはCSR(企業の社会的責任)の説明です。社会課題への取組みという点で重なりますが、 CSRは企業のあり方を示す考え方で、共通の期限や番号付きの目標はありません。 企業がCSRとして行う活動が、SDGsの達成に貢献するという関係です。
理解を深めるために
世界共通の「2030年までの宿題」
SDGs(持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットで採択された 「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の中核となる国際目標です。 2030年を期限に、17の目標と169のターゲットが定められています。
合言葉は**「誰一人取り残さない」**。貧困や飢餓だけでなく、ジェンダー平等、 働きがいと経済成長、気候変動への対策など、先進国自身が抱える課題も含まれます。
なぜ企業がSDGsを語るのか
- 17の目標は分野ごとに分かれており、自社の事業がどの目標に関わるかを示しやすい
- 取引先や消費者、投資家に対して、社会課題への姿勢を共通の言葉で説明できる
- SDGsは法律ではないため、取り組むかどうかは企業の判断に委ねられている
A社が統合報告書で自社事業と目標を対応づけるのは、この「共通の言葉」を使うためです。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 何か | 期限 |
|---|---|---|
| SDGs | 国連が採択した、すべての国が取り組む国際目標 | 2030年 |
| ESG | 投資家が企業を評価するときの環境・社会・企業統治の観点 | なし |
| CSR | 企業が社会の一員として責任を果たすという考え方 | なし |
| MDGs | SDGsの前身。主に途上国の課題を対象とした目標 | 2015年 |
試験では、「目標か、評価の観点か、企業の考え方か」で切り分けます。 期限のある国際目標ならSDGs、投資家の目線ならESGです。