正解:ウ
各選択肢の解説
ア閲覧履歴を消去し、アプリが表示する投稿の偏りをいったん元に戻してから判断する。
誤り。これはアルゴリズムが履歴から表示を選ぶフィルターバブルへの対策です。 Aさんはおすすめ表示を使わず、自分で選んだ相手の投稿だけを読んでいるので、 偏りの原因は履歴ではなくフォローの選び方にあります。履歴を消しても同じ投稿が流れます。
イ同じ意見の投稿が多数あることを根拠として示し、適用の見送りを部門に提案する。
誤り。考えの近い人だけをフォローしていれば、同じ意見が多いのは当然です。 その多さは、意見が正しい裏づけではなく、エコーチェンバーの中にいることの表れです。 見送れば、修正される脆弱性が残り続けます。
ウ提供元の公式情報や異なる立場の意見にも当たり、そのうえで適用の可否を判断する。
正解。自分で選んだ相手の間で同じ意見が反響するのがエコーチェンバーです。 輪の外の情報、とくに不具合の有無を知る提供元の情報に当たって初めて、偏りを補えます。
エ反対の意見を述べる投稿をミュートし、議論が混乱しないようにしてから判断する。
誤り。ミュートやブロックは見たくない投稿を自分で遠ざける操作で、すでに偏っている 輪をさらに狭めます。混乱を避けたつもりで、判断の材料から反対の根拠を消すことになり、 エコーチェンバーを強めます。
理解を深めるために
同じ意見ばかりなのは、自分で選んだ輪の中にいるから
反響する部屋(echo chamber)の中で話すと、自分の声が四方から返ってきて、 大勢が同じことを言っているように聞こえます。SNSでも、考えの近い人だけを フォローしていると、同じ意見が繰り返し届き、「みんなそう言っている」と確信が強まります。 これがエコーチェンバーです。
Aさんの場面で偏りを生んでいるのは、アプリではなくAさん自身のフォローの選び方です。 おすすめ表示を使っていない、という条件がその手がかりです。
なぜ輪の外の情報に当たるのか
- 原因に合った対策をとる: 偏りの原因が自分の選択なら、選ぶ範囲を広げるしかない。 履歴の消去はアルゴリズムが原因のときの対策で、ここでは効かない
- 一番確かな情報源を加える: 修正プログラムの不具合の有無と回避策は、提供元が公表する。 技術者の意見はその後で比べる材料になる
- 組織の判断に持ち込まない: 担当者の偏った確信がそのまま部門の判断になると、 修正される脆弱性を残すことになる。提案の前に偏りを補う
混同しやすいものとの違い
| 用語・操作 | 何が情報を絞っているか |
|---|---|
| エコーチェンバー | 自分で選んだ同じ考えの相手の間で、意見が反響する |
| フィルターバブル | アルゴリズムが閲覧履歴から表示を選び、ほかの情報から隔てる |
| ミュート・ブロック | 見たくない投稿を自分で遠ざける操作。輪をさらに狭める |
| 確証バイアス | 自分の考えに合う情報ばかりを重く見る心の傾き。エコーチェンバーを強める |
実際にはエコーチェンバーとフィルターバブルが同時に起きることも多いので、 試験では場面の条件(おすすめ表示の有無、誰が相手を選んだか)から、どちらへの対策が効くかを見分けます。