正解:エ
各選択肢の解説
ア偽情報にあたるので、内容が虚偽であることを示す訂正文を速やかに公表する。
誤り。偽情報(ディスインフォメーション)は、虚偽と知りながら害を与える意図で流す情報です。 害意がある点に引きずられやすいですが、公開されたのは本物のメールで内容は事実です。 事実を「虚偽だ」と打ち消すと、会社が偽りの説明をしたことになり信用をさらに落とします。
イ誤情報にあたるので、投稿者に誤りを指摘し、投稿の訂正を求めることを優先する。
誤り。誤情報(ミスインフォメーション)は、虚偽と気づかずに害意なく広がる情報です。 この投稿は内容が事実で、しかも信用を落とす目的があるので、真偽と意図のどちらの軸でも 当てはまりません。誤りがないので「訂正」を求める筋もありません。
ウ内容が事実なので情報倫理上の問題はなく、会社としての対応は特に必要ない。
誤り。「本当のことなら公開してよい」は典型的な誤解です。事実でも、害を与える目的で 公開すれば悪意ある情報にあたります。加えて持ち出した社内メールが公開された時点で、 顧客との取引情報が外部に出た情報漏えいでもあり、放置はできません。
エ悪意ある情報にあたり、虚偽と否定せず、漏えい事故として影響の確認と連絡を進める。
正解。内容は事実で、害を与える目的で公開されているので悪意ある情報(マルインフォメーション)です。 否定はできないため、社内情報が外に出た事故として、影響範囲の確認と顧客など関係者への連絡を進めます。
理解を深めるために
本当のことでも、害を与えるために使えば「悪意ある情報」
鍵のかかった引き出しから他人の日記を持ち出し、本人を困らせるために掲示板に貼り出したとします。 書いてあることが本当でも、貼り出した行為が許されるわけではありません。 悪意ある情報(マルインフォメーション)はこの形で、内容は事実、目的は加害の組合せです。
なぜ対応の方向が変わるのか
誤情報・偽情報・悪意ある情報は、内容の真偽と、流す側に害を与える意図があるかの2つの軸で分けます。
- 誤情報: 虚偽だが、害を与える意図はない
- 偽情報: 虚偽で、害を与える意図をもって流す
- 悪意ある情報: 事実だが、害を与える目的で使う
誤情報や偽情報なら、会社は「その内容は事実ではない」と正しい情報で打ち消すのが対応の中心になります。 ところが悪意ある情報は内容が本当なので、打ち消しが使えません。 事実を否定すれば、 後から会社の説明のほうが虚偽だったことになります。
この場面では、元従業員が在職中に持ち出したメールが公開されています。つまり起きているのは 社内情報の漏えいです。情報セキュリティの担当者としては、何がどこまで出たかを確かめ、 顧客など影響を受ける相手に連絡し、投稿先への削除の依頼や持ち出しの経緯の調査へ進めます。 「事実かどうか」を確かめた段階で、分類と打ち手がともに決まるのがこの問題の要点です。
混同しやすいものとの違い
| 分類 | 内容の真偽 | 害を与える意図 | 会社の対応の中心 |
|---|---|---|---|
| 悪意ある情報(マルインフォメーション) | 事実 | あり | 漏えい・権利侵害として対処(否定しない) |
| 偽情報(ディスインフォメーション) | 虚偽 | あり | 事実でないことを示して打ち消す |
| 誤情報(ミスインフォメーション) | 虚偽 | なし | 正しい情報を示して訂正する |
試験では「害意がある=偽情報」と短絡させる誤答がよく置かれます。害意の有無より先に、 内容が事実かどうかを確かめると、悪意ある情報を取り違えません。