問題 10★☆☆

ある会社で、上司が部下に対し、他の社員がいる場で長時間にわたり繰り返し叱責して いる。こうした職場のパワーハラスメントについて、相談窓口の設置など雇用管理上 必要な措置を講じることを事業主に義務付けている法律はどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア男女雇用機会均等法

    誤り。募集・採用や配置・昇進での性別を理由とする差別を禁じ、セクシュアル ハラスメントや妊娠・出産に関するハラスメントの防止措置を事業主に義務付ける 法律です。性別に起因するものかどうかが分かれ目になります。

  2. イ育児・介護休業法

    誤り。育児休業や介護休業、短時間勤務などの権利を定め、これらの制度を利用する 労働者へのハラスメントの防止措置も求めています。ただし対象は育児・介護の制度 利用に関わる言動で、職場の言動全般は扱いません。

  3. ウ労働施策総合推進法

    正解。職場で優越的な関係を背景とした言動によって就業環境が害されないよう、 相談体制の整備などの措置を事業主に義務付けています。この規定から パワハラ防止法とも呼ばれます。

  4. エ労働基準法

    誤り。労働時間・休日・賃金といった最低労働条件を定め、違反に罰則を置く法律 です。働かせ方の条件は細かく定めていますが、職場の言動に対する防止措置を 事業主に義務付ける規定は置かれていません。

理解を深めるために

「パワハラ防止法」は通称

正式名称は「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に 関する法律」。長いので労働施策総合推進法と略し、パワーハラスメント防止の規定が 置かれていることから、パワハラ防止法とも呼ばれます。

パワハラと判断される3つの要素

厚生労働省は、次の3つをすべて満たす言動を職場のパワーハラスメントとしています。

  1. 優越的な関係を背景とした言動であること
  2. 業務上必要かつ相当な範囲を超えたものであること
  3. 労働者の就業環境が害されること

事業主には、相談に応じて適切に対応するための体制の整備など、雇用管理上必要な措置を 講じる義務があります。相談したことを理由に解雇などの不利益な取扱いをすることも 禁じられています。中小企業を含め、すべての事業主が対象です。

混同しやすいものとの違い

法律 主に扱う内容
労働施策総合推進法 優越的な関係を背景とした言動(パワーハラスメント)
男女雇用機会均等法 性別による差別、セクシュアルハラスメント
育児・介護休業法 育児・介護の休業等の権利と、その利用に関わるハラスメント
労働基準法 労働時間・賃金などの最低労働条件(違反に罰則)

ハラスメントの種類で法律が決まります。優越的な関係が背景なら労働施策総合推進法、 性別に起因するなら男女雇用機会均等法、育児・介護の制度利用に絡むなら育児・介護休業法、 と対応づけて覚えます。

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