正解:ウ
各選択肢の解説
ア代金を全額支払えば著作権は発注者に移るので、特に定めなくてよい。
誤り。代金の支払いと著作権の移転は別の問題です。お金を出した側が権利を得ると 考えがちですが、契約で定めなければ、プログラムを作った受託者に著作権が残ります。
イ納品時に使用許諾契約を結び、プログラムの著作権を自社に移してもらう。
誤り。ソフトウェア使用許諾契約は、著作権者が「使ってよい範囲」を認める契約で、 著作権そのものは受託者に残ります。権利を移すのか、使わせてもらうのかで区別します。
ウ外部委託契約の中で、成果物の著作権を発注者に譲渡する旨を定めておく。
正解。委託して作らせたプログラムの著作権は、定めがなければ作った受託者に 帰属します。自由に改修・流用したいなら、委託契約で譲渡を取り決めておきます。
エ仕様書を自社で作成していれば、プログラムの著作権は発注者に帰属する。
誤り。仕様書はどんなプログラムにするかという要求であり、プログラムの表現を 創作したのはコードを書いた受託者です。仕様を出した側が著作者になるわけでは ありません。
理解を深めるために
お金を払っても、権利は自動では来ない
注文住宅なら、代金を払えば家は施主のものになります。ところがプログラムの 著作権は、作った人のところに生まれます。外部に開発を委託した場合、 著作権は原則としてコードを書いた受託者(ソフトウェア会社)の側にあり、 発注者は代金を払っただけでは権利を得られません。
なぜ外部委託契約で決めるのか
著作権を持っていない発注者が勝手にプログラムを改修したり、別のシステムに 流用したりすると、受託者の権利を侵すおそれがあります。そこで、委託の条件を 定める外部委託契約の中に、成果物の権利の扱いを書いておきます。
- 著作権を発注者に譲渡する(改修・流用を自社の判断でできる)
- 著作権は受託者に残し、発注者に利用を許諾する(使える範囲は許諾の条件しだい)
譲渡にする場合は、改変に関わる権利(翻案権など)も含めることを明記するのが 一般的です。書いておかないと、その部分は受託者に残ったと推定されるためです。
混同しやすいものとの違い
| 考え方 | 実際 |
|---|---|
| 外部委託契約で譲渡を定める | 定めた範囲で著作権が発注者に移る |
| 代金を払えば移る | 支払いと権利の移転は別。定めがなければ受託者に残る |
| 使用許諾契約で移す | 使用許諾は使わせる契約で、権利は移らない |
| 仕様書を作れば発注者のもの | 著作者はプログラムを書いた側 |
「納品後に自由に手を加えたい」という条件が出たら、委託契約で著作権の帰属を 決めておく、と結び付けて読みます。