問題 27★★★

スマートフォンアプリを開発する企業が、独自に考えた操作画面のボタンの配置や形、 色使いといった見た目を、他社に模倣されないよう特許庁に出願して権利にしたいと 考えている。この目的に最も適した法律はどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア著作権法

    誤り。著作権は創作した時点で自動的に発生する権利で、特許庁に出願して権利を 得る仕組みではありません。画面も著作物になり得るため混同しやすいですが、 ありふれた配置では創作性が認められにくく、出願して確実に守る手段にはなりません。

  2. イ商標法

    誤り。商標法が守るのは、商品やサービスの出どころを示す名称やロゴです。 アプリ名やロゴなら対象になりますが、操作画面のボタン配置そのものは 「誰のサービスか」を示す目印ではないため、商標で守る対象とは違います。

  3. ウ特許法

    誤り。特許法が守るのは技術的なアイデア(発明)で、画面を使った新しい処理の 仕組みなら対象になり得ます。しかし今回守りたいのは仕組みではなく見た目なので、 見た目のデザインを守る法律を選ぶ必要があります。

  4. エ意匠法

    正解。意匠法は物の見た目のデザインを守る法律で、令和元年の改正により、 機器の操作に使う画面の画像も、物品から離れた「画像」として登録できるように なりました。

理解を深めるために

見た目を守るのが意匠、仕組みを守るのが特許

同じアプリの画面でも、「どう動くか」と「どう見えるか」は別のものです。 新しい処理の流れを考えたなら特許、ボタンの並びや形、色使いといった見た目を 工夫したなら意匠、と守る法律が分かれます。

なぜ画面のデザインが意匠になるのか

意匠法はもともと、椅子や家電のような「物品」の形や模様を守る法律でした。 画面の画像も、以前は物品に記録・表示されているものに限って保護されていました。

令和元年(2019年)の改正(2020年4月施行)で、物品から離れた「画像」そのものが 保護対象に加わりました。対象になるのは次のどちらかに当たる画像です。

  • 機器の操作に使われる画像(操作画像)。アプリのボタン配置などが典型
  • 機器が機能を発揮した結果として表示される画像(表示画像)

クラウドから配信されて表示される画面や、壁に投影される画像も対象になり得ます。 意匠権は特許庁の審査を経て登録され、存続期間は出願日から最長25年です。

混同しやすいものとの違い

法律 守るもの 権利の発生
意匠法 物品や画像の見た目のデザイン 出願・審査・登録
特許法 技術的なアイデア(発明) 出願・審査・登録
商標法 出どころを示す名称・ロゴ 出願・審査・登録
著作権法 思想や感情の創作的な表現 創作した時点で自動的に発生

試験では「見た目」「デザイン」「形状・模様・色彩」という言葉が意匠の目印です。 画面やアプリの話でも、守りたいのが見た目なら意匠法と判断します。

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