問題 17★★★

会員10万人の通販サイトが、全会員の満足度を知るためにサイトのトップページへ アンケートのリンクを掲載した。回答1,200件が集まったが、回答者は 来訪頻度の高い会員に偏っていた。次の調査での対応として最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア回答者にクーポンを配ることにして、回答数を増やす

    誤り。謝礼で回答数は増えますが、答えるのは相変わらずサイトを訪れた人です。 偏った集団から多く集めても偏りの向きは変わらず、かえって 「数が多いから正しい」と誤解する分だけ危険になります。

  2. イ会員名簿から無作為に対象者を選び、回答を依頼する

    正解。調べたい全体(母集団)である全会員から偏りなく標本を抜き出す、 サンプリングの考え方です。来訪しない会員にも等しく声がかかるので、 少ない回答数でも全会員の傾向を推定できます。

  3. ウ集まった回答を年代別にクロス集計して傾向を読み取る

    誤り。クロス集計は集めた後の集計方法の工夫です。分析を細かくしても、 元の回答者が偏っているという事実は変わりません。集め方の問題を 集計で取り返すことはできない、と覚えてください。

  4. エ掲載期間を延ばし、回答が集まるのを待つ

    誤り。期間を延ばして増えるのは、やはりサイトを訪れた会員の回答です。 標本の大きさは誤差の幅を小さくするだけで、抜き出し方の偏りは いくら期間を延ばしても解消しません。

理解を深めるために

みそ汁の味見は、かき混ぜてから

鍋の味を見るのに全部飲む必要はありません。ひとさじで足ります。ただし かき混ぜずに上澄みだけをすくえば、何度味見しても本当の味は分かりません。 サンプリングは、この「かき混ぜてからひとさじ」にあたる考え方です。

なぜ無作為に選ぶのか

  • 調べたい全体を母集団、そこから抜き出した一部を**標本(サンプル)**という
  • 全数調査は費用も時間もかかるため、市場調査では標本調査が一般的
  • 母集団の全員が等しく選ばれる形で抜き出せば、標本の傾向から全体を推定できる

サイトに掲げたアンケートは、訪れた人しか答えられません。この時点で 「来訪しない会員」が最初から候補に入っておらず、母集団を代表していません。

数を増やしても直らないもの

問題 中身 対処
標本の偏り 抜き出し方が母集団を代表していない 無作為抽出に変える
標本誤差 標本が小さいため生じる推定のぶれ 標本の大きさを増やす
集計の粗さ 全体平均だけで層別に見ていない クロス集計などで分解する

試験では「回答してくれた人だけを集めた」「特定の店舗だけで聞いた」といった 記述が偏りの合図です。回答数の多さは偏りの言い訳にならない点が問われます。

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