正解:イ
各選択肢の解説
ア回答者にクーポンを配ることにして、回答数を増やす
誤り。謝礼で回答数は増えますが、答えるのは相変わらずサイトを訪れた人です。 偏った集団から多く集めても偏りの向きは変わらず、かえって 「数が多いから正しい」と誤解する分だけ危険になります。
イ会員名簿から無作為に対象者を選び、回答を依頼する
正解。調べたい全体(母集団)である全会員から偏りなく標本を抜き出す、 サンプリングの考え方です。来訪しない会員にも等しく声がかかるので、 少ない回答数でも全会員の傾向を推定できます。
ウ集まった回答を年代別にクロス集計して傾向を読み取る
誤り。クロス集計は集めた後の集計方法の工夫です。分析を細かくしても、 元の回答者が偏っているという事実は変わりません。集め方の問題を 集計で取り返すことはできない、と覚えてください。
エ掲載期間を延ばし、回答が集まるのを待つ
誤り。期間を延ばして増えるのは、やはりサイトを訪れた会員の回答です。 標本の大きさは誤差の幅を小さくするだけで、抜き出し方の偏りは いくら期間を延ばしても解消しません。
理解を深めるために
みそ汁の味見は、かき混ぜてから
鍋の味を見るのに全部飲む必要はありません。ひとさじで足ります。ただし かき混ぜずに上澄みだけをすくえば、何度味見しても本当の味は分かりません。 サンプリングは、この「かき混ぜてからひとさじ」にあたる考え方です。
なぜ無作為に選ぶのか
- 調べたい全体を母集団、そこから抜き出した一部を**標本(サンプル)**という
- 全数調査は費用も時間もかかるため、市場調査では標本調査が一般的
- 母集団の全員が等しく選ばれる形で抜き出せば、標本の傾向から全体を推定できる
サイトに掲げたアンケートは、訪れた人しか答えられません。この時点で 「来訪しない会員」が最初から候補に入っておらず、母集団を代表していません。
数を増やしても直らないもの
| 問題 | 中身 | 対処 |
|---|---|---|
| 標本の偏り | 抜き出し方が母集団を代表していない | 無作為抽出に変える |
| 標本誤差 | 標本が小さいため生じる推定のぶれ | 標本の大きさを増やす |
| 集計の粗さ | 全体平均だけで層別に見ていない | クロス集計などで分解する |
試験では「回答してくれた人だけを集めた」「特定の店舗だけで聞いた」といった 記述が偏りの合図です。回答数の多さは偏りの言い訳にならない点が問われます。