問題 34★★★

D社は、高齢者向け見守りサービスの構想をビジネスモデルキャンバスにまとめた。 顧客像や提供する価値は、担当者の想定で書いたものである。 このあとの仮説検証の進め方として、最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア9つの欄がすべて埋まったので構想は固まったとみなし、全国で一斉に提供を始める。

    誤り。欄を埋めることと、中身が正しいことは別です。書いた内容は担当者の 想定であり、まだ誰にも確かめていません。確かめないまま全国で始めると、 想定が外れていたときに投じた費用がそのまま損失になります。

  2. イ社内の関係部門を集め、全員が納得するまで会議で議論を重ねてから開発に進む。

    誤り。これは社内の合意づくりであって、仮説検証ではありません。 関係者の意見がそろっても、顧客が本当に困っているか、対価を払うかは 分からないままです。確かめる相手は社内ではなく、想定した顧客です。

  3. ウ機能を絞った試作品を少数の想定顧客に使ってもらい、反応を見て欄を書き直す。

    正解。キャンバスの内容を仮説として扱い、小さく試して顧客の実際の反応で 確かめるのが仮説検証です。外れていた欄を書き直してまた試すので、 想定の誤りに早く、少ない費用で気づけます。

  4. エ想定した機能をすべて作り込み、完成度を十分に高めてから顧客に初めて見せる。

    誤り。顧客に確かめてはいますが、時期が遅すぎます。すべて作り込んだ後で 想定の外れが分かると、作り直しが大きくなります。仮説検証では、 確かめたい点が分かる最小限のものを先に出して反応を見ます。

理解を深めるために

キャンバスに書いたものは「まだ思い込み」

新しい料理を店の看板メニューにしたいとき、いきなり全店で出す人はいません。 まず数人に試食してもらい、感想を聞いて味を直します。 仮説検証は、これを事業の構想でやることです。

ビジネスモデルキャンバスに書いた顧客像や提供する価値は、書いた時点では 担当者の想定にすぎません。これを仮説と呼び、顧客の実際の反応で確かめます。

なぜ小さく、早く試すのか

  • 想定が外れていたとき、失う費用と時間が小さくて済む
  • 顧客の実際の行動という、会議では得られない事実が手に入る
  • 外れた欄だけを書き直して、すぐ次の確認に移れる

D社の場合、「離れて暮らす家族が見守りに月額料金を払う」という想定が 外れているかもしれません。機能を絞った試作品を数世帯に使ってもらえば、 全機能を作る前にそれが分かります。試す、反応を見る、書き直すを繰り返します。

仮説検証とそうでない進め方

進め方 何が足りないか
小さく試して顧客の反応で直す 仮説検証そのもの
欄が埋まったら一斉に始める 確かめる段階がない
社内で合意するまで議論する 確かめる相手が顧客ではない
全部作り込んでから見せる 確かめる時期が遅く、やり直しが大きい

試験では「誰に確かめているか」と「いつ確かめているか」の2点で見分けます。 相手が顧客で、作り込む前の早い段階であれば、仮説検証に当たります。

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