正解:ウ
各選択肢の解説
ア9つの欄がすべて埋まったので構想は固まったとみなし、全国で一斉に提供を始める。
誤り。欄を埋めることと、中身が正しいことは別です。書いた内容は担当者の 想定であり、まだ誰にも確かめていません。確かめないまま全国で始めると、 想定が外れていたときに投じた費用がそのまま損失になります。
イ社内の関係部門を集め、全員が納得するまで会議で議論を重ねてから開発に進む。
誤り。これは社内の合意づくりであって、仮説検証ではありません。 関係者の意見がそろっても、顧客が本当に困っているか、対価を払うかは 分からないままです。確かめる相手は社内ではなく、想定した顧客です。
ウ機能を絞った試作品を少数の想定顧客に使ってもらい、反応を見て欄を書き直す。
正解。キャンバスの内容を仮説として扱い、小さく試して顧客の実際の反応で 確かめるのが仮説検証です。外れていた欄を書き直してまた試すので、 想定の誤りに早く、少ない費用で気づけます。
エ想定した機能をすべて作り込み、完成度を十分に高めてから顧客に初めて見せる。
誤り。顧客に確かめてはいますが、時期が遅すぎます。すべて作り込んだ後で 想定の外れが分かると、作り直しが大きくなります。仮説検証では、 確かめたい点が分かる最小限のものを先に出して反応を見ます。
理解を深めるために
キャンバスに書いたものは「まだ思い込み」
新しい料理を店の看板メニューにしたいとき、いきなり全店で出す人はいません。 まず数人に試食してもらい、感想を聞いて味を直します。 仮説検証は、これを事業の構想でやることです。
ビジネスモデルキャンバスに書いた顧客像や提供する価値は、書いた時点では 担当者の想定にすぎません。これを仮説と呼び、顧客の実際の反応で確かめます。
なぜ小さく、早く試すのか
- 想定が外れていたとき、失う費用と時間が小さくて済む
- 顧客の実際の行動という、会議では得られない事実が手に入る
- 外れた欄だけを書き直して、すぐ次の確認に移れる
D社の場合、「離れて暮らす家族が見守りに月額料金を払う」という想定が 外れているかもしれません。機能を絞った試作品を数世帯に使ってもらえば、 全機能を作る前にそれが分かります。試す、反応を見る、書き直すを繰り返します。
仮説検証とそうでない進め方
| 進め方 | 何が足りないか |
|---|---|
| 小さく試して顧客の反応で直す | 仮説検証そのもの |
| 欄が埋まったら一斉に始める | 確かめる段階がない |
| 社内で合意するまで議論する | 確かめる相手が顧客ではない |
| 全部作り込んでから見せる | 確かめる時期が遅く、やり直しが大きい |
試験では「誰に確かめているか」と「いつ確かめているか」の2点で見分けます。 相手が顧客で、作り込む前の早い段階であれば、仮説検証に当たります。