問題 35★☆☆

新規事業の企画会議で、事業の全体像を1枚の図にして関係者と共有するために、 ビジネスモデルキャンバスを使うことにした。 この図の説明として、最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア自社の強みと弱み、外部環境の機会と脅威を、4つの領域に分けて書き出す。

    誤り。これはSWOT分析です。どちらも枠に書き込む図なので混同しますが、 SWOT分析が整理するのは自社が置かれた状況です。事業がどういう仕組みで 成り立つかを描くビジネスモデルキャンバスとは、描く対象が違います。

  2. イ購買、製造、出荷、販売などの活動を順に並べ、どこで価値が生まれるかを見る。

    誤り。これはバリューチェーン分析です。「価値」という語が共通するため 紛らわしいですが、こちらは社内の活動の連なりを見る手法です。 顧客が誰か、対価をどう受け取るかといった要素は扱いません。

  3. ウ財務、顧客、業務プロセス、学習と成長の4つの視点で、目標と指標を定める。

    誤り。これはバランススコアカードです。「顧客」の視点を含む点は似ていますが、 戦略の達成度を測るための道具であり、すでにある事業の業績を管理します。 事業の仕組みそのものを設計する図ではありません。

  4. エ顧客、提供する価値、届ける経路、収益と費用などを、9つの欄に分けて書き出す。

    正解。ビジネスモデルキャンバスは、誰に、何の価値を、どう届け、どう収益を 得るかを9つの欄で1枚に表します。欄どうしのつながりが一目で分かるので、 構想を関係者と共有し、見直すのに向いています。

理解を深めるために

事業の「間取り図」

家を建てる前に間取り図を描くと、玄関から台所までの動線や、部屋どうしの つながりが1枚で分かります。ビジネスモデルキャンバスは、事業についての間取り図です。 文章の企画書では何十ページにもなる内容を、9つの欄に分けて1枚に収めます。

9つの欄に何を書くか

9つの欄は、大きく4つの問いに答える形になっています。

  • 誰に:カスタマーセグメント(顧客の集団)、顧客との関係
  • 何を:バリュープロポジション(顧客に提供する価値)
  • どうやって:チャネル(届ける経路)、主要な活動、主要な資源、主要なパートナー
  • お金の流れ:収益の流れ、コスト構造

1枚に並べる利点は、欄どうしの食い違いに気づけることです。 たとえば顧客を高齢者としたのに、届ける経路がスマートフォンアプリだけなら、 そこに無理があると一目で分かります。

似た「枠に書く」手法との違い

手法 何を整理するか
ビジネスモデルキャンバス 事業の仕組み(誰に・何を・どうやって・収支)を9つの欄で
SWOT分析 自社の強み・弱みと、外部の機会・脅威
バリューチェーン分析 社内の活動の連なりと、価値が生まれる箇所
バランススコアカード 4つの視点での目標と業績指標

試験では、欄の数と中身で見分けます。「9つ」「顧客と提供価値と収益」が そろっていればビジネスモデルキャンバスです。「4つの領域」「4つの視点」は別の手法です。

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