問題 36★★☆

業務用ソフトウェアを販売するE社は、新製品の価格を バリュープライシングの考え方で決めることにした。 価格の決め方として、最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア導入によって顧客が得る効果を調べ、顧客がその価値に見合うと感じる額にする。

    正解。バリュープライシングは、顧客が感じる価値を出発点に価格を決める 考え方です。作るのにいくらかかったかではなく、顧客がいくらなら 納得して払うかを基準にします。

  2. イ開発や販売にかかった費用を積み上げ、そこに一定の利益を上乗せした額にする。

    誤り。これはコストプラス法です。計算しやすく赤字になりにくいので 広く使われますが、基準は売り手の費用です。顧客が感じる価値が 費用より大きくても小さくても、価格には反映されません。

  3. ウ競合他社の同種製品の価格を調べ、それと同じか少し下回る額にする。

    誤り。これは競合の価格を基準にする決め方です。市場の相場から外れにくい 反面、基準は競合であって顧客ではありません。自社製品だけが持つ価値が あっても、価格に織り込めない点がバリュープライシングとの違いです。

  4. エ需要が増える決算期は高くし、需要が落ちる時期は安くするなど随時変える。

    誤り。これはダイナミックプライシングです。同じ価格戦略の用語ですが、 こちらは需要と供給の状況に応じて価格を変動させる仕組みです。 価格を何に基づいて決めるかではなく、いつ変えるかに着目しています。

理解を深めるために

「いくらかかったか」ではなく「いくらの値打ちか」

山小屋で売っている飲み物は、ふもとの店より高い値段でも売れます。 運ぶ費用がかかるからでもありますが、買う側が「ここで飲めるならこの値段でよい」と 感じているからでもあります。この、買う側が感じる値打ちから価格を決めるのが バリュープライシングです。

価格を決める3つの出発点

価格の決め方は、何を基準にするかで分けられます。

  • 費用から決める:原価に利益を上乗せする(コストプラス法)
  • 競合から決める:他社の価格に合わせる、または少し下げる
  • 顧客が感じる価値から決める:バリュープライシング

E社のソフトウェアが、顧客の事務作業を年間で数百時間減らすとします。 開発費が小さくても、顧客にとっての値打ちは大きいので、それに見合う価格を付けられます。 逆に、開発費がかさんでも顧客が値打ちを感じなければ、高い価格は通りません。 そのため、顧客が得る効果を調べることが出発点になります。

似た用語との違い

用語 価格の基準
バリュープライシング 顧客が感じる価値
コストプラス法 自社の費用に利益を上乗せ
競合基準の価格設定 競合他社の価格
ダイナミックプライシング 需要と供給の状況に応じて変動させる

試験では、選択肢の主語を見ます。「顧客が感じる」「顧客にとっての価値」が 基準ならバリュープライシングです。「需要に応じて変える」とあれば ダイナミックプライシングで、価格を動かす仕組みの話になります。

前の問題へ次の問題へ