問題 43★★★

日用品メーカーのF社は、一種類のシャンプーを全国一律の広告で販売してきたが、売上が伸び悩んでいる。 調べると、年代や髪の悩みによって求める成分や香りが大きく分かれていた。 F社がセグメントマーケティングに切り替える場合の施策として最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア現在のシャンプーのテレビCMの放映回数を増やし、全国の消費者に商品名をより広く知らせる。

    誤り。これはマスマーケティングを強める施策です。売上が伸びない原因は知られていないことではなく、 一種類の商品が分かれた要望に合っていないことなので、同じ商品の広告を増やしても解決しません。

  2. イ小売店に支払う販売奨励金を増やし、現在のシャンプーを店頭の目立つ棚に並べてもらう。

    誤り。これはプッシュ戦略の施策です。流通業者に働きかけて商品を押し出す手法で、 誰に向けてどんな商品を用意するかという切り口とは別の話です。 棚の位置が良くなっても、商品が要望に合わない点は変わりません。

  3. ウ現在のシャンプーを自社の通販サイトで販売し、注文した消費者に直接案内を送る。

    誤り。これはダイレクトマーケティングの施策です。変わるのは売る経路と連絡の取り方で、 商品は一種類のままです。消費者と直接つながることと、 層ごとに商品や訴求を変えることは別の取組みです。

  4. エ消費者を年代や髪の悩みで層に分け、層ごとに成分や香りを変えた商品と広告を用意する。

    正解。セグメントマーケティングは、市場を共通点のある層に分け、 層ごとに商品や訴求を変える手法です。求めるものが層によって分かれているのだから、 一種類で全員に合わせるのをやめ、層の数だけ答えを用意します。

理解を深めるために

フリーサイズの服をやめて、S・M・Lを作る

フリーサイズの服は一種類で済むので作る側は楽ですが、体格の差が大きいと誰にも合いません。 かといって一人ずつ採寸して仕立てると費用がかかりすぎます。 そこで体格の近い人をS・M・Lにまとめ、サイズごとに作り分けます。 市場を共通点のある層(セグメント)に分け、層ごとに商品や訴求を変える手法を セグメントマーケティングといいます。

切り替える合図は「要望が分かれている」こと

F社の売上が伸びない原因は、商品が知られていないことでも、店頭で目立たないことでもありません。 求める成分や香りが年代や髪の悩みで分かれているのに、商品が一種類しかないことです。

  • 層に分ける切り口の例: 年代、性別、地域、生活の仕方、抱えている悩み
  • 層ごとに変えるもの: 商品の中身、価格、広告の内容や出す場所

原因が「商品と要望のずれ」にあるとき、広告の量や売り場や販売経路だけを変えても、 ずれは残ったままになります。

何を変える施策なのかで見分ける

用語 変えるもの
セグメントマーケティング 層ごとに商品や訴求を変える
マスマーケティング 何も分けない。同じ商品を全体へ大量に届ける
プッシュ戦略 流通業者への働きかけを強め、店頭で押し出す
ダイレクトマーケティング 仲介を通さず、消費者と直接やり取りする

試験では、施策の記述に「層に分ける」と「層ごとに変える」の両方があるかを確かめます。 広告の量、棚、販売経路の話だけなら、セグメントマーケティングではありません。

前の問題へ次の問題へ