問題 32★★★

ECサイトで商品ページを2種類用意し、訪問者を振り分けて購入率を比べたところ、 A案が3.0%、B案が3.4%だった。この差が偶然のばらつきで生じた程度のものか、 B案の効果と言えるのかを判断したい。用いる手法として最も適切なものはどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア回帰分析

    誤り。回帰分析は、ある変数の値から別の変数の値を見積もる式を求める手法です。 広告費から売上高を予測するような場面で使います。二つの案で出た差が 偶然かどうかを判定するものではありません。

  2. イ仮説検定

    正解。「A案とB案に差はない」という仮説を置き、それでも今回の差が出る確率を 計算します。確率が十分に小さければ仮説を捨て、差があると判断します。

  3. ウ単純無作為抽出

    誤り。単純無作為抽出は、母集団から偏りなく標本を選ぶ方法です。 訪問者をA案とB案にランダムに振り分ける段階では役立ちますが、 得られた差を評価する手法ではありません。

  4. エデータマイニング

    誤り。データマイニングは、大量のデータから事前に想定していない規則性を 探し出す手法です。今回は「B案のほうが購入率が高いか」という確かめたい仮説が 先にあるので、発見型の手法とは目的が逆です。

理解を深めるために

「たまたま」かどうかを確率で決める

コインを10回投げて表が6回出ても、「このコインは表が出やすい」とは言いません。 その程度の偏りは、普通のコインでもよく起きるからです。 ところが1000回投げて600回表なら、さすがに普通のコインとは考えにくくなります。

購入率の3.0%と3.4%も同じです。訪問者が数百人なら偶然で説明できる差かもしれず、 数十万人ならB案の効果と見てよいかもしれません。この判断を感覚ではなく 確率で行うのが仮説検定です。

仮説検定の流れ

  1. 否定したい仮説を置く(「A案とB案の購入率に差はない」)
  2. その仮説が正しいとしたとき、今回の差以上の差が出る確率を計算する
  3. 確率があらかじめ決めた基準(5%など)より小さければ仮説を捨て、「差がある」と判断する

基準を下回らなかった場合は「差があるとは言えない」という結論になります。 「差がない」と証明されたわけではない点に注意が必要です。

混同しやすいものとの違い

手法 使う場面 出発点
仮説検定 観測した差が偶然の範囲かを判断する 確かめたい仮説がある
回帰分析 一方の値から他方の値を見積もる 変数間の関係を式にしたい
単純無作為抽出 偏りなく標本を選ぶ 調査の対象をどう選ぶか
データマイニング 未知の規則性を見つける 仮説がまだない

試験では「偶然かどうか」「有意な差があるか」という言葉が仮説検定の目印です。 二つの案を比べるA/Bテストの結果を評価する場面で、よく使われます。

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