正解:イ
各選択肢の解説
ア回帰分析
誤り。回帰分析は、ある変数の値から別の変数の値を見積もる式を求める手法です。 広告費から売上高を予測するような場面で使います。二つの案で出た差が 偶然かどうかを判定するものではありません。
イ仮説検定
正解。「A案とB案に差はない」という仮説を置き、それでも今回の差が出る確率を 計算します。確率が十分に小さければ仮説を捨て、差があると判断します。
ウ単純無作為抽出
誤り。単純無作為抽出は、母集団から偏りなく標本を選ぶ方法です。 訪問者をA案とB案にランダムに振り分ける段階では役立ちますが、 得られた差を評価する手法ではありません。
エデータマイニング
誤り。データマイニングは、大量のデータから事前に想定していない規則性を 探し出す手法です。今回は「B案のほうが購入率が高いか」という確かめたい仮説が 先にあるので、発見型の手法とは目的が逆です。
理解を深めるために
「たまたま」かどうかを確率で決める
コインを10回投げて表が6回出ても、「このコインは表が出やすい」とは言いません。 その程度の偏りは、普通のコインでもよく起きるからです。 ところが1000回投げて600回表なら、さすがに普通のコインとは考えにくくなります。
購入率の3.0%と3.4%も同じです。訪問者が数百人なら偶然で説明できる差かもしれず、 数十万人ならB案の効果と見てよいかもしれません。この判断を感覚ではなく 確率で行うのが仮説検定です。
仮説検定の流れ
- 否定したい仮説を置く(「A案とB案の購入率に差はない」)
- その仮説が正しいとしたとき、今回の差以上の差が出る確率を計算する
- 確率があらかじめ決めた基準(5%など)より小さければ仮説を捨て、「差がある」と判断する
基準を下回らなかった場合は「差があるとは言えない」という結論になります。 「差がない」と証明されたわけではない点に注意が必要です。
混同しやすいものとの違い
| 手法 | 使う場面 | 出発点 |
|---|---|---|
| 仮説検定 | 観測した差が偶然の範囲かを判断する | 確かめたい仮説がある |
| 回帰分析 | 一方の値から他方の値を見積もる | 変数間の関係を式にしたい |
| 単純無作為抽出 | 偏りなく標本を選ぶ | 調査の対象をどう選ぶか |
| データマイニング | 未知の規則性を見つける | 仮説がまだない |
試験では「偶然かどうか」「有意な差があるか」という言葉が仮説検定の目印です。 二つの案を比べるA/Bテストの結果を評価する場面で、よく使われます。