問題 31★★★

ネット通販のE社は、注文の受付と代金の請求は既存のシステムで問題なく処理できている。 一方で、倉庫で注文品を棚から取り出す際の取り違えや、配送中の荷物の所在が分からないことによる 問合せが増えている。この課題の解決に最も適切なものはどれか。

正解:ア

各選択肢の解説

  1. ア物流情報システム。倉庫の入出庫や配送の状況を管理し、モノの動きを把握する。

    正解。課題は「棚から正しく取り出す」「荷物が今どこにあるか分かる」という、モノの保管と移動の側にあります。 倉庫内の作業と配送の状況を管理する物流情報システムが、この部分を受け持ちます。

  2. イ販売管理システム。受注から出荷指示、請求、入金までの取引の流れを管理する。

    誤り。販売管理システムは、注文を受けてから出荷を指示し、請求・入金を確認するまでの取引を管理する仕組みです。 「出荷」が含まれるため混同しますが、扱うのは出荷してよいかという取引上の手続までです。 倉庫で実物をどう取り出し、どこまで運んだかは管理しません。しかもE社では既に処理できている部分です。

  3. ウCTI。電話とコンピュータを連携させ、着信時に相手の情報を画面に表示する。

    誤り。CTIは、電話がかかってきたときに顧客の情報を画面に出すなど、電話応対を効率化する仕組みです。 「問合せが増えている」から窓口の強化を思い浮かべがちですが、それは結果への対処です。 問合せの原因である荷物の所在不明と取り違えは、CTIでは解消しません。

  4. エMES。工場の製造現場で、作業の指示や実績の収集、進捗の管理を行う。

    誤り。MESは、工場の生産ラインで作業指示を出し、実績や進捗を集める製造実行システムです。 「現場の作業ミスを減らす」点が似ていますが、対象は物を作る工程です。 できあがった商品を倉庫から取り出して届ける工程は、物流の側の仕組みが担います。

理解を深めるために

「売れた」の後に、「届ける」という別の仕事がある

ネット通販で注文が確定し、代金の請求が済んでも、商品はまだ倉庫の棚の上です。 誰かが正しい商品を取り出し、箱に詰め、配送業者に渡し、お客様の家に届いて初めて取引は完了します。 このモノを置いて運ぶ仕事を管理する仕組みが、物流情報システムです。

取引の流れとモノの流れは分けて考える

企業の中では、同じ注文に対して2つの流れが並行して動いています。

  • 取引の流れ(商流):受注 → 出荷指示 → 請求 → 入金。販売管理システムが担う
  • モノの流れ(物流):入荷 → 保管 → 取り出し(ピッキング) → 梱包 → 配送。物流情報システムが担う

物流情報システムは、主に次のような機能を持ちます。

  • 倉庫のどの棚に何がいくつあるかを管理し、取り出す商品をバーコードなどで照合する(倉庫管理:WMS)
  • 配車や配送ルートを管理し、荷物が今どこにあるかを追跡できるようにする(輸配送管理:TMS)

E社の課題は、取り違えも所在不明も、すべてモノの流れの側で起きています。 問合せの電話を受けやすくしても、原因である荷物の状況が分からなければ答えられません。

混同しやすいものとの違い

仕組み 管理する対象
物流情報システム 倉庫での保管・入出庫と、配送というモノの移動
販売管理システム 受注・出荷指示・請求・入金という取引の手続
CTI 電話応対と顧客情報の連携
MES 工場の製造現場の作業指示と実績

試験では、課題が「お金と手続」の側か「モノの移動」の側かを先に見分けます。 入出庫・ピッキング・配送・追跡といった言葉が並べば物流情報システムです。

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