問題 44★★★

ある企業は、国内の本社に置いたWebサーバから動画入りの製品サイトを公開している。 海外など遠方の利用者ほどページの表示が遅く、新製品の発表時にはアクセスが集中して サーバの負荷も高まる。この両方を改善する対策として最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア本社のサーバを複数台に増やし、届いたアクセスを各サーバに振り分ける。

    誤り。これはロードバランサ(負荷分散装置)による負荷分散です。アクセス集中による負荷は下げられますが、 サーバはすべて本社にあるままなので、海外の利用者との距離は縮まらず、 遠方で表示が遅いという問題は残ります。

  2. イ利用者の端末に一度読み込んだ画像や動画を保存させ、次回はそこから表示する。

    誤り。これはブラウザキャッシュの活用です。同じ利用者が再び訪れたときの表示は速くなりますが、 初めて訪れる利用者には効果がなく、新製品の発表時に新しい利用者が集中する場面の 負荷を下げることもできません。

  3. ウ画像や動画の複製を各地のサーバに置き、利用者に近いサーバから配信する。

    正解。これはCDNの仕組みです。近くのサーバから届くので遠方でも表示が速くなり、 配信を各地のサーバが肩代わりするので、本社のサーバに集まる負荷も下がります。

  4. エ本社のサーバをより高性能なCPUと大容量のメモリを備えた機種に取り替える。

    誤り。これはスケールアップ(サーバ1台の性能を上げる方法)です。処理能力が上がるので負荷には強くなりますが、 配信元が本社1か所であることは変わらず、海外までの通信の距離による 遅さは解消できません。

理解を深めるために

本店から送らず、近くの倉庫から届ける

ネット通販で、全国の注文を東京の本店1か所から発送していたら、遠い地域ほど届くのが遅くなり、 注文が殺到すれば本店の発送作業もパンクします。そこで各地に倉庫を置き、 あらかじめ商品を置いておいて、注文者に近い倉庫から出荷するようにします。

CDN(Content Delivery Network)は、これをWebの配信で行う仕組みです。 画像や動画などのデータの複製を世界各地のサーバに置いておき、 利用者に近いサーバから配信します。

なぜ速度と負荷の両方に効くのか

  • 距離が縮む:データが通る経路が短くなるので、遠方の利用者でも表示が速くなる
  • 負荷が分かれる:配信の多くを各地のサーバが受け持つので、元のサーバ(オリジンサーバ)に 集まるアクセスが減る
  • 1か所のサーバが止まっても、他の拠点から配信を続けやすい

動画配信サービスや、アクセスが一時的に集中するニュースサイト・キャンペーンサイトなどで 広く使われています。

混同しやすいものとの違い

対策 負荷の集中 遠方での遅さ
CDN 各地のサーバが肩代わりして軽くなる 近いサーバから届くので速くなる
ロードバランサ(負荷分散) 本社の複数台で分け合って軽くなる 配信元が本社のままで変わらない
スケールアップ 1台の性能を上げて耐える 配信元が本社のままで変わらない
ブラウザキャッシュ 初めての利用者には効かない 2回目以降の表示だけ速くなる

負荷対策の選択肢は多いので、「距離」が問題文にあるかどうかに注目してください。 遠方の利用者の遅さまで解消できるのは、配信の拠点そのものを分散させるCDNです。

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