正解:ウ
各選択肢の解説
ア本社のサーバを複数台に増やし、届いたアクセスを各サーバに振り分ける。
誤り。これはロードバランサ(負荷分散装置)による負荷分散です。アクセス集中による負荷は下げられますが、 サーバはすべて本社にあるままなので、海外の利用者との距離は縮まらず、 遠方で表示が遅いという問題は残ります。
イ利用者の端末に一度読み込んだ画像や動画を保存させ、次回はそこから表示する。
誤り。これはブラウザキャッシュの活用です。同じ利用者が再び訪れたときの表示は速くなりますが、 初めて訪れる利用者には効果がなく、新製品の発表時に新しい利用者が集中する場面の 負荷を下げることもできません。
ウ画像や動画の複製を各地のサーバに置き、利用者に近いサーバから配信する。
正解。これはCDNの仕組みです。近くのサーバから届くので遠方でも表示が速くなり、 配信を各地のサーバが肩代わりするので、本社のサーバに集まる負荷も下がります。
エ本社のサーバをより高性能なCPUと大容量のメモリを備えた機種に取り替える。
誤り。これはスケールアップ(サーバ1台の性能を上げる方法)です。処理能力が上がるので負荷には強くなりますが、 配信元が本社1か所であることは変わらず、海外までの通信の距離による 遅さは解消できません。
理解を深めるために
本店から送らず、近くの倉庫から届ける
ネット通販で、全国の注文を東京の本店1か所から発送していたら、遠い地域ほど届くのが遅くなり、 注文が殺到すれば本店の発送作業もパンクします。そこで各地に倉庫を置き、 あらかじめ商品を置いておいて、注文者に近い倉庫から出荷するようにします。
CDN(Content Delivery Network)は、これをWebの配信で行う仕組みです。 画像や動画などのデータの複製を世界各地のサーバに置いておき、 利用者に近いサーバから配信します。
なぜ速度と負荷の両方に効くのか
- 距離が縮む:データが通る経路が短くなるので、遠方の利用者でも表示が速くなる
- 負荷が分かれる:配信の多くを各地のサーバが受け持つので、元のサーバ(オリジンサーバ)に 集まるアクセスが減る
- 1か所のサーバが止まっても、他の拠点から配信を続けやすい
動画配信サービスや、アクセスが一時的に集中するニュースサイト・キャンペーンサイトなどで 広く使われています。
混同しやすいものとの違い
| 対策 | 負荷の集中 | 遠方での遅さ |
|---|---|---|
| CDN | 各地のサーバが肩代わりして軽くなる | 近いサーバから届くので速くなる |
| ロードバランサ(負荷分散) | 本社の複数台で分け合って軽くなる | 配信元が本社のままで変わらない |
| スケールアップ | 1台の性能を上げて耐える | 配信元が本社のままで変わらない |
| ブラウザキャッシュ | 初めての利用者には効かない | 2回目以降の表示だけ速くなる |
負荷対策の選択肢は多いので、「距離」が問題文にあるかどうかに注目してください。 遠方の利用者の遅さまで解消できるのは、配信の拠点そのものを分散させるCDNです。