正解:ア
各選択肢の解説
アリスク管理やコンプライアンスの専門知識を生かし、業務部門の取組を支援し、監視する。
正解。第2ラインは、リスク管理部門やコンプライアンス部門などが担う専門的な役割です。 現場のリスク管理に方針や手法を示して支援し、うまく働いているかを監視して、必要なら異議を唱えます。
イ製品やサービスを提供する業務の中で、自らの業務に伴うリスクを管理し、統制を運用する。
誤り。これは第1ラインの役割です。第1ラインと第2ラインはどちらもリスクに関わる経営管理側の 役割なので混同しやすいですが、第1ラインは業務を行う当事者として自らリスクを管理し、 第2ラインはその外側から専門的に支援・監視します。
ウ経営管理の責任から独立した立場で、組織全体の統制の有効性を評価し、保証を提供する。
誤り。これは第3ライン、つまり内部監査の役割です。第2ラインも第1ラインを監視しますが、 経営管理の一部に属しています。第1・第2ラインから独立し、統治機関(取締役会など)に対して 客観的な保証と助言を行うのが第3ラインです。
エ組織の監督についてステークホルダーに説明責任を負い、経営陣に権限や資源を委ねる。
誤り。これは統治機関(取締役会など)の役割です。3つのラインモデルの図に一緒に描かれるため ラインの一つと思われがちですが、統治機関は3つのラインの上に立って組織を監督する存在で、 第1〜第3ラインのどれにも当たりません。
理解を深めるために
「やる人」「支える人」「確かめる人」を分ける
3つのラインモデルは、組織の中でリスク管理や統制に関わる役割を、3つに分けて整理する 考え方です。内部監査の国際団体であるIIA(内部監査人協会)が示しています。
サッカーにたとえると、第1ラインはボールを持って試合をする選手、第2ラインは戦術を授けて プレーを見守るコーチ、第3ラインは試合の運び全体を外から公正に評価する立場です。 選手自身がミスを防ぐ工夫をし、コーチが専門知識で支え、それでもなお独立した目で確かめる、 という重ね方をします。
それぞれのラインの役割
- 第1ライン:製品やサービスを顧客に届ける業務部門。自分の業務に伴うリスクを自ら管理する
- 第2ライン:リスク管理、コンプライアンス、情報セキュリティなどの専門部門。 第1ラインを支援し、監視し、必要なら異議を唱える
- 第3ライン:内部監査。経営管理から独立した立場で、第1・第2ラインを含む統制全体について 客観的な保証と助言を行う
第1ラインと第2ラインは、どちらも経営管理(マネジメント)の側の役割です。第3ラインは 統治機関(取締役会など)に対して報告し、経営管理からの独立性を保ちます。
もとは「3つのディフェンスライン」と呼ばれていましたが、守りだけでなく組織の目標達成に 役立つ面も含めるために見直され、現在の名称になりました。その後の見直しでも、この3つの ラインの基本構造は変わっていません。
混同しやすいものとの違い
| 役割 | 担い手の例 | 中身 |
|---|---|---|
| 第2ライン | リスク管理部門、コンプライアンス部門 | 専門知識で第1ラインを支援・監視する |
| 第1ライン | 営業部門、製造部門などの業務部門 | 業務の中で自らリスクを管理する |
| 第3ライン | 内部監査部門 | 独立した立場で客観的な保証と助言を行う |
| 統治機関 | 取締役会など | ラインの外から組織を監督し、説明責任を負う |
「業務の当事者か」「経営管理の中の専門部門か」「経営管理から独立しているか」の順に見ると、 どのラインかを見分けられます。