正解:エ
各選択肢の解説
ア受注から請求までの作業の順序と担当部署を洗い出し、業務フロー図にまとめる。
誤り。これは業務プロセスの明確化です。いま業務がどう流れているかを見える形にする 取組で、担当者が何を基準に判断するかまでは決めていません。 ルールを定める前の土台づくりにあたります。
イ受注データを入力する担当者と、請求書を発行する担当者を別の人にする。
誤り。これは職務分掌です。担当を分けて一人で業務が完結しないようにする仕組みで、 それぞれの担当者がどんな基準で処理するかは決めていません。 「誰がやるか」を決めるのか、「どうやるか」を決めるのかで見分けます。
ウ月末に営業課長が値引きの記録を抜き取りで点検し、基準を外れたものを指摘する。
誤り。これはチェック体制の確立です。定めた基準どおりに業務が行われたかを、 別の人の目で確かめる仕組みです。基準そのものを定める取組ではなく、 点検するときの物差しとして使われるのが実施ルールです。
エ値引きは定価の10%までを担当者の判断とし、超える場合は課長の承認を得ると定める。
正解。実施ルールの設定です。担当者によって判断がぶれないよう、 業務をどんな基準と手順で行うかを規程やマニュアルとして決めておく取組です。
理解を深めるために
「どうやるか」を決めておくのが実施ルール
実施ルールの設定は、業務をどんな基準と手順で行うかを決め、規程やマニュアルとして 示しておくことです。「値引きは10%まで」「それを超えたら課長の承認」のように、 担当者が迷ったときに頼る線を引いておきます。
料理のレシピに近いものです。レシピがなければ、同じ料理でも作る人によって 塩の量が変わります。業務も同じで、基準がなければ「このくらいならいいだろう」という 判断が人ごとにずれ、誤りも不正も入り込みやすくなります。
構築の流れの中での位置
- 業務プロセスの明確化 … 業務の流れと担当を見える形にする
- リスクの洗い出し … 流れのどこで誤りや不正が起こり得るかを探す
- 職務分掌・実施ルールの設定 … 担当を分け、判断の基準や手順を決める
- チェック体制の確立 … 決めたとおりに行われたかを確かめる
職務分掌とルールは同じ段階に並びますが、決めている中身が違います。 職務分掌は「誰がやるか」、実施ルールは「どうやるか」です。
混同しやすいものとの違い
| 取組 | 決めていること |
|---|---|
| 業務プロセスの明確化 | 業務がいまどう流れているか(現状の把握) |
| 職務分掌 | 誰がどの作業を受け持つか(担当の分離) |
| 実施ルールの設定 | どんな基準・手順で行うか(判断の線引き) |
| チェック体制の確立 | 決めたとおりに行われたかを誰がどう確かめるか |
選択肢に「〜と定める」「規程にする」とあればルール、「別の人にする」なら職務分掌、 「点検する」「照合する」ならチェック体制、「図にまとめる」なら明確化です。 動詞に注目すると見分けやすくなります。