問題 13★★☆

ある高校が、生徒に配る学習用端末の指導方針を見直した。危険だから使わせないのでは なく、情報社会の一員として権利と責任を理解し、他者を尊重しながら自分で判断して 社会に関わる力を育てるという方針である。この考え方を表す語はどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア情報リテラシー

    誤り。必要な情報を探し出し、整理して目的に沿って使いこなす能力を指します。 端末を使う力という点では重なりますが、重心は技能の側にあり、社会の一員として どうふるまうかという責任の自覚までは含みません。

  2. イデジタルシティズンシップ

    正解。デジタル社会の市民として、権利と責任を自覚し、よりよい使い方を自分で 選び取る態度と能力を指す語です。禁止と制限で守る発想から、判断できる人を 育てる発想への転換を表しています。

  3. ウメディアリテラシー

    誤り。メディアが伝える情報をうのみにせず、発信者の意図や根拠を確かめて 読み解く力を指します。受け取る側の判断力に焦点があり、自ら発信し社会に 関わっていく態度までは射程に入っていません。

  4. エデジタルデバイド

    誤り。情報機器や通信環境を使える人と使えない人との間に生じる格差のことです。 同じデジタル社会の話題ですが、個人が身につける態度ではなく、社会の側に 生まれた差を指す語なので、育てる対象にはなりません。

理解を深めるために

「使わせない」ではなく「善く使う人を育てる」

デジタルシティズンシップは、デジタル社会における市民性のことです。車にたとえると、 子どもをハンドルに近づけないのが制限の発想、交通ルールと他の人への配慮を教えて 運転できるようにするのがデジタルシティズンシップの発想にあたります。

何を身につける考え方か

  • 自分の発信が誰にどう届くかを考え、他者の権利を尊重する
  • 情報の出どころを確かめ、責任をもって判断する
  • 困っている人がいれば声を上げ、よりよい場をつくる側に回る

主体は使う本人です。保護者や管理者が外から制限するペアレンタルコントロールや フィルタリングは、判断力が育つまでを支える手段であって、それ自体が目的ではありません。 なお、ネチケット(ネットマナー)は他者への具体的な作法を指し、デジタルシティズン シップはその作法を含むより広い態度を指します。

混同しやすいものとの違い

用語 何を指すか
デジタルシティズンシップ 市民として責任をもって関わる態度と能力
情報リテラシー 情報を探し、整理し、活用する技能
メディアリテラシー 情報を批判的に読み解く力
デジタルデバイド 使える人と使えない人の間の格差

「個人が身につけるものか、社会に生じた差か」でまずデジタルデバイドを外し、 残りは「使う技能」「読み解く力」「関わる態度」で見分けます。

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