問題 19★★☆

市役所の広報担当者が、SNSで「今週から市内の水道水が飲めなくなる」という投稿が 拡散しているのを見つけた。市民向けの案内を出す前に、この投稿のファクトチェックを 行う。担当者の行動として、最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア投稿の共有数と「いいね」の多さを確かめ、支持が多ければ事実とみなす。

    誤り。共有や「いいね」が多いのは、内容が確からしいからではなく、見出しが 人の感情を動かしたからであることが多いものです。数の多さは広まった度合いを 示すだけで、書かれている事実の裏づけにはなりません。

  2. イ自分の考えに近い内容の投稿を集め、見解が一致していれば事実とみなす。

    誤り。自分の考えに合う情報ばかりを集めて確信を強めるのは、確証バイアスと 呼ばれる典型的な誤りです。検証とは反証の可能性を残して確かめることなので、 あらかじめ結論に合う材料だけを選ぶやり方では検証になりません。

  3. ウ投稿者のフォロワー数と発信歴の長さを確かめ、実績があれば事実とみなす。

    誤り。発信者の影響力と個々の投稿の正確さは別の話です。フォロワーが多い人でも 誤りを信じて広めることはありますし、発信歴の長さも今回の内容を裏づけません。 確かめるべきは発信者の属性ではなく、その情報の出どころです。

  4. エ投稿が示す発表の出どころをたどり、水道局の公式発表など一次情報に当たる。

    正解。ファクトチェックは、情報の出どころをさかのぼり、当事者や官公庁が自ら 出した一次情報と突き合わせて真偽を判断する作業です。裏づけが取れるまでは 拡散も打ち消しも急がないのが原則です。

理解を深めるために

「誰が言ったか」ではなく「どこから来たか」

うわさの真偽を確かめるとき、頼りになるのは「たくさんの人が言っている」でも 「有名な人が言っている」でもありません。もとの発表までさかのぼれるかどうかです。 ファクトチェックは、この「さかのぼる」作業を指します。

手順として何をするか

  • 発信元をたどる。転載の転載であれば、最初の投稿や記事まで戻る
  • 一次情報に当たる。官公庁・当事者・公式サイトなど、自ら出した発表を見る
  • 日付を見る。過去の出来事が、今のことのように再掲されていないか確かめる
  • 確かめられないうちは転送しない。「念のため共有」が拡散を手伝ってしまう

注意したいのは、打ち消しの発信も急がないことです。誤りを引用して否定すると、 引用された虚偽の方が広く記憶されることがあります。

混同しやすい判断との違い

判断のしかた なぜ裏づけにならないか
一次情報に当たる 裏づけになる。出どころの発表と突き合わせている
共有数・「いいね」が多い 広まった度合いを示すだけで、内容の確からしさとは無関係
発信者のフォロワーが多い 影響力の大小であって、個々の投稿の正確さとは別
自分の考えに合う投稿が多い 確証バイアス。結論に合う材料だけを集めている

試験では「数の多さ」「発信者の有名さ」「自分の実感との一致」を根拠にする選択肢が 並びます。出どころをさかのぼる選択肢を選べば、たいてい正解になります。

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