正解:エ
各選択肢の解説
ア同じ値の並びを短い符号に置き換えるだけで、元の情報を捨てていないから。
誤り。これは可逆圧縮の仕組みで、ZIPなどが使う考え方です。情報を捨てない ので展開すれば完全に元に戻りますが、置き換えられる無駄には限りがあり、 音声や画像を10分の1にするほどは小さくなりません。
イ音の波形ではなく、楽器の種類や音の高さなどの演奏情報を記録するから。
誤り。これはMIDIの説明です。演奏の指示だけを記録するのでデータは非常に 小さくなりますが、実際の歌声や録音した音は残せません。録音した音を そのまま扱うMP3とは、記録している対象が違います。
ウ再生に必要な部分だけを順に受け取り、残りは手元に保存しないから。
誤り。これはストリーミングの説明で、通信しながら再生する配信の仕組みです。 手元に残る量は減りますが、送られてくるデータそのものを小さくする技術では ないため、圧縮の理由の説明にはなりません。
エ人の耳では聞き分けにくい音の情報を、あらかじめ取り除いているから。
正解。大きな音にかき消される小さな音や、聞き取れる範囲の外にある高い音を 削っています。聞こえ方への影響が小さい情報を捨てるので大きく減らせますが、 捨てた分は戻らないため非可逆圧縮と呼ばれます。
理解を深めるために
「気づかれない情報」を捨てるから、大きく減らせる
圧縮には、元に戻せる可逆圧縮と、完全には戻せない非可逆圧縮があります。 文書や表計算のデータをZIPにまとめるのは前者で、 同じ並びの繰り返しを短い符号に置き換えるなどして、情報を捨てずに詰め直します。 確実に元へ戻る代わりに、減らせる量は元のデータの無駄の分だけです。
音声や画像の非可逆圧縮は考え方が違います。人の感覚では違いに気づきにくい情報を 最初から捨ててしまうため、減らせる量が桁違いに大きくなります。 MP3なら、大きな音の陰に隠れて聞こえない小さな音や、 人の耳が拾いにくい高い音の成分が削られます。
圧縮率は上げるほどよい、とは限らない
どれだけ小さくするかは選べます。強く圧縮するほどファイルは小さくなりますが、 捨てる情報が増えるので、音がこもったり、写真の輪郭に不自然な乱れが出たりします。 音楽配信や写真では「聞いて・見て気にならない範囲」でとどめるのが普通です。 一度捨てた情報は、展開しても取り戻せません。
混同しやすいものとの違い
| 用語 | 中身 |
|---|---|
| 非可逆圧縮(MP3・JPEG) | 気づかれにくい情報を捨てて大幅に小さくする |
| 可逆圧縮(ZIP) | 情報を捨てずに詰め直す。展開すれば完全に戻る |
| MIDI | 音そのものではなく演奏の指示を記録する形式 |
| ストリーミング | 受信しながら再生する配信方式。圧縮の技術ではない |
用途で使い分けます。書類やプログラムのように1ビットの違いも許されないものは可逆圧縮、 音楽・写真・動画のように多少の劣化が許されるものは非可逆圧縮です。