問題 18★★★

市が窓口の案内システムを作るにあたり、企画の段階から車いすの利用者と高齢者に 設計チームの一員として加わってもらい、一緒に案を出しながら画面や設置位置を 決めていった。この進め方を表す言葉として最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. アユニバーサルデザイン

    誤り。年齢や能力にかかわらず、できるだけ多くの人がそのまま使えるように 初めから設計するという考え方です。目指す姿を示す言葉であり、 当事者を作り手として迎えるという進め方までは表していません。

  2. イバリアフリー

    誤り。段差や表示の分かりにくさなど、すでにある障壁を後から取り除く考え方です。 対象を高齢者や障害のある人に絞って不都合を解消するもので、 作る過程に当事者が加わるかどうかとは別の話になります。

  3. ウインクルーシブデザイン

    正解。使いにくさを抱える当事者を設計する側に迎え、 一緒に案を出しながら作り上げる進め方です。作り手だけでは気づけない不便が、 企画の段階で設計に反映されます。

  4. エユーザビリティテスト

    誤り。作ったものを利用者に操作してもらい、つまずく箇所を観察する評価の手法です。 利用者が関わる点は同じですが、関わるのは形ができた後の確かめる段階であり、 案を出す段階から共に作るわけではありません。

理解を深めるために

「誰のために」ではなく「誰と作るか」

インクルーシブデザインは、これまで設計の対象から外されがちだった人々を、 設計するチームの一員として迎え入れる進め方です。 作り手が想像で配慮するのではなく、 不便を実際に抱えている人と一緒に案を出すところに特徴があります。

車いすの利用者が加われば、画面の高さや前面の空きの必要性が企画の段階で分かります。 出来上がってから指摘されれば作り直しになりますが、 初めから一緒に考えていれば、その手戻りが起きません。

ユニバーサルデザインとの関係

2つは対立するものではなく、層が違います。

  • ユニバーサルデザイン … できるだけ多くの人が使える状態を目指す考え方(目的)
  • インクルーシブデザイン … 当事者を巻き込んで設計する進め方(手段)

ユニバーサルデザインには7原則(公平な利用、使い方の柔軟性、単純で直感的、 分かりやすい情報、うっかりミスへの寛容さ、身体的負担の少なさ、 接近しやすい大きさと空間)があり、目指す状態がここに整理されています。

混同しやすいものとの違い

用語 中身
インクルーシブデザイン 当事者を設計側に迎え、一緒に作り上げる進め方
ユニバーサルデザイン 初めから多くの人が使えるように設計する考え方
バリアフリー すでにある障壁を後から取り除く考え方
ユーザビリティテスト 作ったものを操作させて、つまずきを観察する評価手法

「一緒に作る」ならインクルーシブデザイン、 「初めから誰でも使える」ならユニバーサルデザインです。

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