正解:イ
各選択肢の解説
ア使用における柔軟性
誤り。右利きでも左利きでも使える、タッチでもボタンでも操作できるなど、 使い方を利用者が選べるようにする原則です。操作しやすくする点は同じですが、 間違えた後に戻れるかどうかとは別の観点です。
イ失敗に対する寛大さ
正解。操作を誤っても危険や不利益につながらず、元に戻せるように設計する原則です。 取消で戻れることと、確定前の確認画面は、どちらもこれに当たります。
ウ単純で直感的な使用
誤り。経験や知識、言語の力にかかわらず、使い方がすぐ分かるようにする原則です。 間違いを減らす効果はありますが、ねらいは初めから迷わせないことで、 誤った後の取り消しや確認の仕組みそのものを指すものではありません。
エ認知できる情報
誤り。画面表示に音声案内を添えるなど、見え方や聞こえ方にかかわらず 必要な情報が伝わるようにする原則です。確認画面も情報を示しますが、 改修のねらいは伝え方ではなく、誤りを確定させないことにあります。
理解を深めるために
間違えても困らないように作る
人は必ず操作を誤ります。失敗に対する寛大さ(Tolerance for Error)は、 誤りをなくそうとするのではなく、誤っても危険や損につながらず、 元に戻せるように作っておくという原則です。
券売機なら、行き先を押し間違えても取消で戻れる、支払いの前に確認画面が出る。 パソコンなら「元に戻す」操作や、削除したファイルがいったんごみ箱に入る仕組みも同じ考え方です。
ユニバーサルデザインの7原則
ユニバーサルデザインを提唱したロナルド・メイスらが、 できるだけ多くの人が使えるものの条件を7つに整理したものです。訳語には揺れがあります。
- 公平な使用(誰でも同じように使える)
- 使用における柔軟性(使い方を選べる)
- 単純で直感的な使用(使い方がすぐ分かる)
- 認知できる情報(必要な情報が伝わる)
- 失敗に対する寛大さ(誤っても危険がなく、戻せる)
- 少ない身体的な努力(楽な姿勢・小さな力で使える)
- 接近や使用のためのサイズと空間(近づきやすく、使いやすい大きさと広さ)
混同しやすいものとの違い
| 原則 | 対応する工夫の例 |
|---|---|
| 失敗に対する寛大さ | 取消で戻れる、確定前の確認画面、ごみ箱 |
| 使用における柔軟性 | 左右どちらの手でも使える、操作方法を選べる |
| 単純で直感的な使用 | 説明を読まなくても操作の流れが分かる |
| 認知できる情報 | 画面表示に音声案内を添える |
「誤った後に戻れる・確定前に止められる」なら失敗に対する寛大さです。 「初めから迷わない」工夫は単純で直感的な使用と見分けます。