問題 11★★☆

E社は、家庭用製品・業務用製品・海外という三つの区分で部門を分け、 それぞれの部門の中に開発・製造・販売の機能をそろえている。部門長は 区分ごとの売上と利益に責任を負う。この組織形態はどれか。

正解:イ

各選択肢の解説

  1. ア職能別組織

    誤り。開発・製造・販売といった仕事の種類で全社を部門に括る形です。E社にも 同じ名前の機能はありますが、三つの区分それぞれに重複して置かれています。 機能が全社で一本化されていない点が説明できません。

  2. イ事業部制組織

    正解。製品・地域・顧客などの事業の単位で括り、必要な機能を内側にそろえて、 売上と利益の責任を部門長に委ねる形です。市場の近くで判断できるので、 本社に上げずにその事業部だけで動けます。

  3. ウマトリックス組織

    誤り。仕事の種類と製品など二つの軸を掛け合わせ、一人が両方に属して双方から 指示を受ける形です。E社の担当者が属するのは三区分のいずれか一つで、 指示系統も一本なので、二つの軸が交差している状態にはありません。

  4. エプロジェクト組織

    誤り。特定の目的のために各部門から人を集め、達成したら解散する一時的な 組織です。E社の三部門は常設で、期限も終わりの条件も定めずに事業を 継続的に担っているため、解散を前提とするこの形とは異なります。

理解を深めるために

会社の中に小さな会社を並べる

事業部制組織は、製品・地域・顧客といった「商売の単位」で会社をまるごと 切り分け、その中に開発から販売までを入れてしまう形です。事業部長は その商売の小さな社長にあたり、売上と利益という数字で成果を問われます。

なぜ機能が重複するのを承知で分けるのか

  • 市場に近いところで判断できるので、意思決定が速い
  • 売上と利益が事業部ごとの数字として出るため、責任と評価がはっきりする
  • 事業部長が経営に近い経験を積むので、経営者の育成につながる
  • 半面、開発や製造の部署が事業部の数だけでき、全社では重複が生じる

この重複をどこまで許すかが設計の要点で、共通化できる機能だけを本社に残す、 といった折衷もよく取られます。

四つの組織形態の違い

組織形態 括り方
事業部制組織 製品・地域などの事業単位で括り、損益の責任を委ねる
職能別組織 開発・製造・販売など仕事の種類で括る
マトリックス組織 二つの軸を掛け合わせ、一人が両方に属する
プロジェクト組織 目的達成まで各部門から人を集める一時的な組織

見分ける鍵は、部門を括っているのが「仕事の種類」か「事業の単位」かの一点です。 売上と利益の責任が部門長にあるかどうかも、あわせて手掛かりになります。

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