問題 34★★★

H社は、食品・物流・金融の三つの事業をそれぞれ別の株式会社として独立させ、 H社自身は製造や販売を行わず、三社の株式を保有してグループ全体の方針決定と 資源配分に専念している。この形態はどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. アカンパニー制組織

    誤り。社内を独立採算の疑似的な会社に分け、投資や人事の権限を委ねる形です。 権限の大きさは似ていますが、分けた単位はあくまで社内の組織で、法人格は 一つのままです。H社は三社を別の株式会社にしている点が合いません。

  2. イ事業部制組織

    誤り。製品や地域などの事業単位で社内に部門を置き、部門長に損益の責任を 負わせる形です。これも一つの会社の中の区分で、事業部が独立した法人になる わけではありません。三社が別会社であるH社の説明にはなりません。

  3. ウプロジェクト組織

    誤り。特定の目的のために部門を越えて人を集め、達成したら解散する一時的な 組織です。H社の三社は期限を定めず事業を継続的に担っており、解散を前提と する集まりではないため、この形とは性質が異なります。

  4. エ持株会社

    正解。他社の株式を保有して支配することを主な事業とする会社で、自らは 事業を行わないものを純粋持株会社と呼びます。事業の単位がそれぞれ別法人に なっている点が、社内で分ける形との決定的な違いです。

理解を深めるために

会社の上に、会社を束ねる会社を置く

持株会社は、株式を持つことで他の会社を支配し、グループ全体の舵取りをする 会社です。社名に「ホールディングス」と付く会社がその例で、傘の下に事業会社が 並び、親会社は全体の方針と資金・人の配り方を決めることに専念します。 自らは事業を営まないものを純粋持株会社、事業も併せて行うものを 事業持株会社と呼び分けます。

何が得られ、何が要るのか

  • 事業ごとに別法人なので、責任の範囲や労働条件を事業の実情に合わせやすい
  • 会社ごと売買できるため、事業の買収や切り離しがしやすい
  • 親会社は個別の事業運営から離れ、グループ全体の戦略に集中できる
  • 半面、会社が増えるので決算や管理の手間が増え、グループ内の連携が 取りにくくなることもある

分け方の違いを一列で見る

形態 分ける単位 法人格
持株会社 事業ごとに別会社 分かれる
カンパニー制組織 社内の疑似的な会社 一つのまま
事業部制組織 社内の事業部 一つのまま

見分ける鍵は「法人が分かれているかどうか」の一点です。別の株式会社に なっていれば持株会社によるグループ、社内の区分にとどまるならカンパニー制か 事業部制、と読み分けます。

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