正解:ウ
各選択肢の解説
ア持株会社
誤り。他社の株式を保有して傘下の企業を支配する会社で、傘下はそれぞれ 別の法人です。事業単位に経営を任せる狙いは似ていますが、G社は法人が 一つのままなので、株式を通じた支配という前提が成り立ちません。
イ事業部制組織
誤り。改組する前のG社がこの形でした。事業部に委ねるのは売上と利益の 責任までで、元手そのものは会社が持ったままです。社内資本金を割り当てて 元手の使い方まで問う形に変えた時点で、事業部制からは一歩出ています。
ウカンパニー制組織
正解。社内の事業単位に元手(資本)まで割り当て、独立した会社のように 扱う形です。儲けた額だけでなく、預けた元手をどう使ったかまで問われる 点が、売上と利益の責任にとどまる事業部制との違いです。
エプロジェクト組織
誤り。特定の目的のために部門をまたいで人を集め、達成すれば解散する 臨時の組織です。G社の事業単位は製品を継続して扱う恒常的なもので、 期限が来れば解けるものではないので当てはまりません。
理解を深めるために
社内に元手を配ると、会社のようになる
事業部制組織は、事業部に売上と利益の責任を持たせる形です。ここにもう一段 足して、事業単位ごとに元手(資本)まで割り当てるとカンパニー制組織に なります。いくら儲けたかだけでなく、預けた元手をどう使ったかまで問われる ので、社内の事業単位が独立した会社のように振る舞います。
事業部制組織との境目はどこか
- 事業部制が委ねるのは、売上と利益の責任まで
- カンパニー制は、そこに社内資本金という元手と、その使い道の判断が加わる
- 元手を預かる以上、資産の管理もカンパニー側の仕事になる
- ただし法人は一つなので、対外的な契約・納税・決算は会社としてまとめて行う
権限の大小ではなく、資本を割り当てているかどうかが線引きです。設備投資の 判断を任されている事業部は珍しくありませんが、それだけではカンパニー制とは 呼びません。
四つの形の比べ方
| 形 | 何を単位にして、何を委ねるか |
|---|---|
| カンパニー制組織 | 事業単位に社内資本金を割り当て、元手の使い道まで委ねる。法人は一つ |
| 事業部制組織 | 製品や地域ごとの事業部に、売上と利益の責任を委ねる。法人は一つ |
| 持株会社 | 傘下は別法人。株式の保有を通じて支配する |
| プロジェクト組織 | 特定の目的のために臨時に組み、達成すれば解散する |
社名に付く「ホールディングス」は持株会社の通称で、日本で純粋持株会社の設立が 広く認められたのは1997年の独占禁止法の改正以降です。問題文に「別会社」「株式を 保有」とあれば持株会社、「独立採算」で止まっていれば事業部制、そこに「社内 資本金」が出てくればカンパニー制組織、と読み分けます。