問題 13★★★

G社は、これまで製品ごとの事業部に売上と利益の責任を持たせてきた。今回、 各事業部に社内資本金を割り当て、預けた元手に見合う成果を上げているかまで 評価する形に改めた。法人はG社一つのままである。この組織形態はどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア持株会社

    誤り。他社の株式を保有して傘下の企業を支配する会社で、傘下はそれぞれ 別の法人です。事業単位に経営を任せる狙いは似ていますが、G社は法人が 一つのままなので、株式を通じた支配という前提が成り立ちません。

  2. イ事業部制組織

    誤り。改組する前のG社がこの形でした。事業部に委ねるのは売上と利益の 責任までで、元手そのものは会社が持ったままです。社内資本金を割り当てて 元手の使い方まで問う形に変えた時点で、事業部制からは一歩出ています。

  3. ウカンパニー制組織

    正解。社内の事業単位に元手(資本)まで割り当て、独立した会社のように 扱う形です。儲けた額だけでなく、預けた元手をどう使ったかまで問われる 点が、売上と利益の責任にとどまる事業部制との違いです。

  4. エプロジェクト組織

    誤り。特定の目的のために部門をまたいで人を集め、達成すれば解散する 臨時の組織です。G社の事業単位は製品を継続して扱う恒常的なもので、 期限が来れば解けるものではないので当てはまりません。

理解を深めるために

社内に元手を配ると、会社のようになる

事業部制組織は、事業部に売上と利益の責任を持たせる形です。ここにもう一段 足して、事業単位ごとに元手(資本)まで割り当てるとカンパニー制組織に なります。いくら儲けたかだけでなく、預けた元手をどう使ったかまで問われる ので、社内の事業単位が独立した会社のように振る舞います。

事業部制組織との境目はどこか

  • 事業部制が委ねるのは、売上と利益の責任まで
  • カンパニー制は、そこに社内資本金という元手と、その使い道の判断が加わる
  • 元手を預かる以上、資産の管理もカンパニー側の仕事になる
  • ただし法人は一つなので、対外的な契約・納税・決算は会社としてまとめて行う

権限の大小ではなく、資本を割り当てているかどうかが線引きです。設備投資の 判断を任されている事業部は珍しくありませんが、それだけではカンパニー制とは 呼びません。

四つの形の比べ方

形 何を単位にして、何を委ねるか
カンパニー制組織 事業単位に社内資本金を割り当て、元手の使い道まで委ねる。法人は一つ
事業部制組織 製品や地域ごとの事業部に、売上と利益の責任を委ねる。法人は一つ
持株会社 傘下は別法人。株式の保有を通じて支配する
プロジェクト組織 特定の目的のために臨時に組み、達成すれば解散する

社名に付く「ホールディングス」は持株会社の通称で、日本で純粋持株会社の設立が 広く認められたのは1997年の独占禁止法の改正以降です。問題文に「別会社」「株式を 保有」とあれば持株会社、「独立採算」で止まっていれば事業部制、そこに「社内 資本金」が出てくればカンパニー制組織、と読み分けます。

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