正解:ア
各選択肢の解説
ア目標管理制度(MBO)
正解。本人が目標の設定に関与し、自ら進捗を管理し、その達成度で評価を 受ける仕組みです。上から数値を割り当てるノルマ管理と違い、自ら決めた という納得感が意欲につながることを狙っています。
イコーチング
誤り。上司などが質問を投げかけて本人に考えさせ、答えを引き出すことで 目標の達成を支援する手法です。目標を扱う点は共通ですが、こちらは対話の 進め方の呼び名であり、評価まで含む人事の制度ではありません。
ウHRテック(HRTech)
誤り。採用・評価・育成といった人事の業務に、AIやクラウドなどのITを 活用する取組です。目標の登録や進捗の共有をシステム上で行う例は多いの ですが、それは手段の話で、評価の考え方そのものを指す語ではありません。
エタレントマネジメント
誤り。従業員の技能・資格・経験といった情報を一元的に把握し、適所への 配置や育成に生かす仕組みです。人材情報を会社が活用する話であり、本人が 目標を立てて達成度で評価されるという評価の枠組みとは目的が違います。
理解を深めるために
「与えられたノルマ」ではなく「自分で決めた目標」
目標管理制度(MBO)は、経営学者のドラッカーが示した考え方をもとに広まった 人事の仕組みです。英語表記が Management by Objectives and self-control であるとおり、要は「目標による管理」と「自己統制」の二本立てです。
- 目標は、組織の目標を踏まえて本人が設定に関与する
- 期の途中の進み具合は、本人が自ら確かめて調整する
- 期末に、目標をどこまで達成できたかで評価を受ける
上司が一方的に数値を割り当てて達成度だけを問うやり方は、 形は似ていてもMBOとは呼べません。自分で決めたという納得感が、 自発的に工夫する動機になる、というのが土台の考え方です。
紛らわしい用語の整理
| 用語 | 何をするものか |
|---|---|
| 目標管理制度(MBO) | 本人が目標設定に関与し、達成度で評価する仕組み |
| コーチング | 質問で本人の考えを引き出し、目標達成を支援する手法 |
| HRテック(HRTech) | 人事の業務にITを活用する取組 |
| タレントマネジメント | 人材情報を把握し、配置や育成に生かす仕組み |
運用上の注意点
MBOには弱点もあります。達成度が評価に直結するため、 本人が達成しやすい低めの目標を置きがちになること、 成果を数字で表しにくい仕事では達成度の判定が難しいことです。 上司との擦り合わせが欠かせないのはこのためです。
試験では「本人が目標設定に参加する」「自ら進捗を管理する」「達成度で評価する」 の三つがそろっていればMBOと判断できます。