正解:ア
各選択肢の解説
ア同じ資金を、どこから集めたかと何に使っているかの二面から示しているから。
正解。右側は資金をどこから調達したか、左側はその資金が今どんな形に 変わっているかを表します。同じ一つの資金を裏と表から数えているので、 合計は必ず一致します。一致することを「バランスする」と呼びます。
イ流動資産の合計と流動負債の合計が同額になるよう調整しているから。
誤り。この二つを比べるのは流動比率という財務指標の考え方で、 短期の支払能力を見るためのものです。両者が同額になる決まりはなく、 むしろ流動資産が流動負債を上回っているかどうかが関心の的になります。
ウ一定期間の収益の合計と費用の合計が一致するように決算するから。
誤り。収益と費用を対比するのは損益計算書です。しかも両者は一致せず、 その差額が利益や損失になります。一致するとしたら利益がゼロのときだけで、 貸借対照表の左右が一致する理由の説明にはなりません。
エ現金の収入額と支出額が、期末の時点では必ず等しくなるから。
誤り。現金の出入りを扱うのはキャッシュフロー計算書です。収入と支出は 通常一致せず、その差が手元資金の増減になります。等しくなるのは 現金が一円も増減しなかった場合だけで、一般的な話ではありません。
理解を深めるために
右は「どこから来たか」、左は「今どうなっているか」
友人から10万円を借り、自分の貯金10万円を足して、20万円のパソコンを買ったとします。 このとき、お金の出どころは「借金10万円+自分の資金10万円」、 使い道は「パソコン20万円」です。出どころの合計と使い道の合計は、 数え方が違うだけで同じ20万円になります。
貸借対照表はこれを企業の規模でやったものです。
- 右側(負債・純資産) — 資金の調達源泉。返す必要があるか否かで上下に分かれる
- 左側(資産) — 資金の運用形態。現金、商品、建物などに姿を変えている
同じ資金を二通りに数えているだけなので、左右は必ず一致します。 貸借対照表が balance sheet と呼ばれるのはこのためです。
右側の上下、左側の上下
| 区分 | 中身 |
|---|---|
| 資産(左) | 流動資産・固定資産・繰延資産。資金が何に化けているか |
| 負債(右上) | 流動負債・固定負債。いずれ返す必要がある元手 |
| 純資産(右下) | 出資や過去の利益の蓄積。返す必要のない元手 |
他の表と混ぜないために
収益と費用を並べて利益を示すのが損益計算書、現金の増減を活動別に示すのが キャッシュフロー計算書です。左右が一致するという性質をもつのは貸借対照表だけで、 これは「一時点の財政状態を、調達と運用の二面から写した表」だからだと覚えると確実です。