問題 18★★☆

貸借対照表では、資産を流動資産と固定資産に分けて表示する。仕入・販売・回収と いう通常の営業サイクルに含まれない資産について、この区分を決める基準として 最も適切なものはどれか。

正解:エ

各選択肢の解説

  1. ア取得したときの金額が、一定の額を超えているかどうかで分ける。

    誤り。金額の大小は、少額なものをその期の費用として処理してよいかという 別の論点で出てきます。高額でも短期で現金化される資産はありますし、 安くても長く使い続ける資産もあるため、区分の基準にはなりません。

  2. イ自己資金で買ったか、借入金で買ったかという調達方法で分ける。

    誤り。資金をどこから調達したかは、貸借対照表の右側(負債と純資産)が 表している内容です。左側の資産は、その資金が今どんな形になっているかを 示すため、買うのに使った資金の出どころでは区分しません。

  3. ウ目に見える形があるものか、形のないものかという実体の有無で分ける。

    誤り。これは固定資産をさらに有形固定資産と無形固定資産に分ける際の 見方です。区分の階層が一つ下で、流動か固定かを決めたあとの内訳に あたります。ソフトウェアや特許権が無形固定資産の例です。

  4. エ決算日の翌日から1年以内に現金化される見込みかどうかで分ける。

    正解。1年基準と呼ばれる考え方です。短期間で現金に変わるものを流動資産、 1年を超えて使い続けたり保有したりするものを固定資産とします。 負債を流動負債と固定負債に分けるときも同じ1年という物差しを使います。

理解を深めるために

物差しは「1年で現金に戻るか」

貸借対照表の資産は、上から順に現金に近いものが並びます。 その並べ替えの物差しが、決算日の翌日から1年という期間です。

  • 流動資産 — 現金預金、売掛金、商品など。1年以内に現金になる見込みのもの
  • 固定資産 — 建物、機械、土地、ソフトウェアなど。長く事業に使い続けるもの
  • 繰延資産 — 支出済みで、効果が将来に及ぶために資産として繰り延べたもの

同じ物差しは右側にも使われ、1年以内に支払期限が来る買掛金や短期借入金が 流動負債、返済が1年より先の長期借入金や社債が固定負債になります。

1年基準の前に働く基準

実務では、仕入から販売、代金回収までの通常の営業サイクルの中にあるものは、 回収が1年を超えても流動資産とする扱いがあります(正常営業循環基準)。 先に働くのはこちらで、そこに当てはまらないものを1年基準で振り分けます。 設問が「営業サイクルに含まれない資産について」と断っているのは、この順序が あるためです。試験では「おおむね1年で線を引く」と押さえておけば足ります。

区分の階層を取り違えない

区分 分ける基準
流動と固定 決算日の翌日から1年以内かどうか
有形と無形 固定資産の中で、形のある実体があるかどうか
資産と負債 資金の運用形態か、返済義務のある調達源泉か

「流動か固定か」は時間の物差し、「有形か無形か」は形の物差しです。 どちらの軸を聞かれているかを読み分けると迷いません。

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