問題 46★★★

ある企業の決算で、損益計算書に当期純利益が計上された。この企業は この期の配当を行わないこととした。当期純利益が貸借対照表に及ぼす 影響として、最も適切なものはどれか。

正解:ウ

各選択肢の解説

  1. ア当期純利益と同じ額だけ、資産の部の現金及び預金が増える。

    誤り。利益の額と現金の増減は一致しません。売上が掛けのままなら 売掛金として残りますし、設備を買えば現金だけが減ります。 利益がいくら現金として残ったかは、キャッシュフロー計算書で確かめます。

  2. イ当期純利益と同じ額だけ、純資産の部の資本金が増える。

    誤り。資本金が増えるのは、株主が新たに資金を払い込んだとき(増資)です。 同じ純資産でも、株主が出した元手と会社が稼いで貯めた分は区別して 表示されます。利益が増やすのは後者にあたります。

  3. ウ当期純利益と同じ額だけ、純資産の部が利益剰余金として増える。

    正解。稼いだ利益のうち配当として社外に出さなかった分は、 利益剰余金として純資産に積み上がります。1年間の成果である当期純利益が、 決算日時点の財産の状態に反映される形です。

  4. エ当期純利益と同じ額だけ、負債の部の借入金が減る。

    誤り。借入金が減るのは、実際に返済したときだけです。利益を元手に 返済することはありますが、利益が出ただけで自動的に減りはしません。 利益の計上と借入金の返済は、別々の出来事です。

理解を深めるために

「1年間の成績」と「決算日の残高」はつながっている

損益計算書は1年間でいくら稼いだかを示す成績表、 貸借対照表は決算日という一時点の財産の状態を示す残高表です。 この2つは別々の表ですが、当期純利益のところでつながっています。

貯金にたとえると分かりやすくなります。 1年間の収入から支出を引いた残りが損益計算書の当期純利益、 その残りを足した後の預金残高が貸借対照表です。 毎年の成績が、残高に積み重なっていきます。

積み上がる先は純資産

当期純利益のうち、配当として株主に渡さなかった分は利益剰余金となり、 純資産の一部になります。黒字を続ける企業の純資産が年々厚くなるのはこのためです。 逆に赤字が続けば利益剰余金が減り、純資産が目減りしていきます。

表 示すもの 期間の捉え方
貸借対照表 決算日時点の資産・負債・純資産の残高 一時点
損益計算書 1年間の収益・費用と段階別の利益 一期間
キャッシュフロー計算書 1年間の現金の増減とその理由 一期間

利益が増えても現金が同じだけ増えるとは限らない

利益は、代金を受け取る前でも売上が確定した時点で計上されます。 そのため、利益が出ていても現金は増えていない、ということが起こります。

純資産がいくら増えたかは貸借対照表、現金がいくら増えたかはキャッシュフロー計算書。 どちらの問いなのかを読み分けるのが、3つの表を使い分けるこつです。

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