正解:エ
各選択肢の解説
ア在庫を保管している倉庫に対して毎月支払う賃借料
誤り。倉庫の賃借料は固定費です。売れた数が多くても少なくても契約どおりの 金額を払うため、売上高との連動がありません。「何個売れたら増えるか」を 考えると、変動費との区別がつきます。
イ販売数にかかわらず定額で支払うネット店舗の月額利用料
誤り。定額の利用料は固定費です。同じネット販売にかかる費用でも、 月額固定のものと売れるたびに発生するものがあり、金額の決まり方が違います。 固定費は売上がゼロの月でも同額だけ発生します。
ウ事務所で働く正社員に毎月支払っている基本給
誤り。正社員の基本給は固定費の代表例です。忙しさにかかわらず毎月ほぼ 同額が発生します。人件費でも、販売数に応じて支払う出来高払いの報酬なら 変動費になるため、支払いの決まり方で判断します。
エ商品が売れるたびに売上高の一定率を支払う決済手数料
正解。売れた分だけ、売上高に比例して発生する費用なので変動費です。 1個売るごとに必ず出ていくため、売価からこの分を引いた残りが固定費の 回収と利益に回ります。
理解を深めるために
費用は「売れたら増えるか」で2つに分かれる
同じ「毎月出ていくお金」でも、性質は2種類あります。
- 変動費 — 販売量や売上高に比例して増える費用。材料費、仕入原価、 販売手数料、出来高払いの報酬など
- 固定費 — 売れても売れなくても一定額が発生する費用。賃借料、 正社員の基本給、定額のサービス利用料、減価償却費など
見分けるコツは、費用の名前ではなく金額の決まり方を見ることです。 「今月まったく売れなかったら、この費用はゼロになるか」と考えると判断できます。 ゼロになるなら変動費、それでも発生するなら固定費です。
名前が似ていても分類は違う
人件費は固定費、と覚えてしまうと取り違えます。正社員の基本給は固定費ですが、 販売実績に応じて払う歩合給は変動費です。ネット販売の費用も、 月額のサイト利用料は固定費、売れた件数に応じた決済手数料は変動費になります。
分け方が分かると何が見えるか
| 区分 | 例 | 売上がゼロの月 |
|---|---|---|
| 変動費 | 仕入原価、決済手数料、歩合給 | 発生しない |
| 固定費 | 賃借料、基本給、月額利用料 | 同額が発生する |
売価から変動費を引いた残りが、固定費の回収に充てられます。 この構造が分かると、値下げが利益をどれだけ削るのか、 販売量が増えたときに利益がどう伸びるのかを筋道立てて考えられます。