正解:イ
各選択肢の解説
ア120万円
誤り。当期の利益100万円を2割増やした額です。販売量に比例して増えるのは 売上高と変動費だけで、固定費300万円は増えません。そのため利益の伸び率は 販売量の伸び率より大きくなります。
イ180万円
正解。売上高1,200万円、変動費720万円となり、その差480万円から固定費 300万円を引いて180万円です。販売量2割増で利益が8割増えるのは、 固定費が増えないまま回収済みになっているからです。
ウ300万円
誤り。増えた売上高200万円がそのまま利益に上乗せされると考えた額です。 売上高が増えれば材料費や手数料などの変動費も比例して増えるため、 増収分のうち手元に残るのは一部だけです。
エ480万円
誤り。来期の売上高1,200万円から変動費720万円を引いた額で、限界利益に 当たります。ここから固定費300万円を回収して初めて利益になるため、 固定費を引き忘れた計算です。
理解を深めるために
売上が2割増えても、利益は2割増ではない
計算は3段階で進めます。
- 売上高 — 単価が同じで販売量が2割増なので、1,000万円 × 1.2 = 1,200万円
- 変動費 — 売れた数に比例するので、600万円 × 1.2 = 720万円
- 固定費 — 販売量が変わっても金額は動かないので、300万円のまま
1,200 − 720 − 300 = 180万円。当期の利益は 1,000 − 600 − 300 = 100万円 でしたから、販売量が2割増えたことで利益は8割増えた計算になります。
なぜ利益の伸びのほうが大きいのか
売上高から変動費を引いた差額(限界利益)は販売量に比例して増えます。 一方、固定費はいくら売っても金額が変わりません。 つまり、増えた限界分がまるごと利益の増加になるのです。
当期は限界利益400万円のうち300万円を固定費の回収に使い、残り100万円が利益でした。 来期は限界利益が480万円に増えますが、回収すべき固定費は300万円のままなので、 増えた80万円がそのまま利益に積み上がります。
計算でつまずきやすい点
| 誤り | 何を見落としているか |
|---|---|
| 利益も2割増と考える | 固定費は販売量に連動しない |
| 増収分がそのまま利益 | 変動費も比例して増える |
| 正しい手順 | 売上高と変動費だけを1.2倍し、固定費はそのまま引く |
固定費の比率が高い会社ほど、この利益の振れ幅は大きくなります。 売上が伸びれば利益が跳ね、落ちれば一気に赤字に近づく、という関係です。