正解:ウ
各選択肢の解説
ア商品の仕入や製造に要した原価を差し引いた、商品そのものの儲けの厚さ
誤り。これは粗利益(売上総利益)です。差し引くのが売上原価である点が違います。 自社工場をもつ製造業の売上原価には、生産量にかかわらず発生する設備の 減価償却費のような固定費も入るため、変動費だけを差し引いた額とは一致しません。
イ粗利益から人件費や広告費などを差し引いた、本業の活動で稼いだ利益
誤り。これは営業利益です。費用を「売るための費用かどうか」で区切った 損益計算書の見方であり、「販売量に比例するかどうか」で区切る見方とは 切り口が異なります。同じ費用でも、どちらに入るかは別々に決まります。
ウ固定費の回収に充てられ、固定費を上回った分がそのまま利益になる金額
正解。限界利益と呼ばれます。売れば売るほどこの金額が積み上がり、 合計が固定費に届いた時点で利益がゼロ、超えた分がそのまま利益になります。 1個売るごとにいくら固定費を回収できるかを表す金額です。
エすべての費用と法人税などを差し引いた後に最終的に手元へ残る利益
誤り。これは当期純利益です。本業以外の利息や臨時の損益、税金まで 加減した後の最終的な利益で、株主への配当の原資になります。 変動費だけを差し引いた段階とは、引いている費用の範囲が違います。
理解を深めるために
売った分だけ「固定費の穴」を埋めていく
固定費を、売り始める前から空いている大きな穴だと考えてください。 工場の減価償却費も社員の給与も、1個も売れなかった月に同じだけ出ていきます。
商品を1つ売ると、売価から材料費などの変動費を引いた分だけ手元に残ります。 この残りが穴を少しずつ埋めていき、穴が埋まりきったところから先は、 埋める先がないのでそのまま利益になります。
変動費だけを差し引く見方は何の役に立つのか
- 1個売るごとにいくら残るかが分かるので、あと何個売れば黒字かが見える
- 値引きしてよい限界が分かる(変動費を下回る値付けは、売るほど損が増える)
- 販売量が変わったときの利益の増減を、そのまま掛け算で見積もれる
売上高から変動費を引いた額を限界利益といい、 「限界利益 − 固定費 = 利益」という関係になります。
似た利益との違い
| 金額 | 売上高から差し引くもの |
|---|---|
| 限界利益 | 変動費(販売量に比例する費用) |
| 粗利益 | 売上原価(仕入や製造にかかった原価) |
| 営業利益 | 売上原価と販売費及び一般管理費 |
| 当期純利益 | すべての費用と税金 |
粗利益と限界利益は金額が近くなることもありますが、考え方の軸が違います。 粗利益は「何にかかった費用か」、限界利益は「販売量に連動するか」で区切ります。 採算の見通しを立てる場面では、後者の見方を使います。